虹をつかんだ (ページ4)

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『ねぇ重い〜離れてよ〜』

「やだやだ〜おんぶして〜」

ズシリと背中に体重をかけて戯れてくるジュンギュオッパのせいで本格的に生命の危機を感じた私は周りにいる人に助けを求めた

『ヨシくーん！助けて〜！！！』

サラサラの赤い髪の毛を掻き分けて、あ？俺？と言いながら駆け寄って来てくれたヨシくん。そうですあなたです…なんて思いながら手を伸ばすと、すぐに状況を把握してくれたのか「ジュンギュヤ、あんまAを虐めるなよ〜」と言いながらなんとかオッパを引き剥がしてくれた。本当ヨシくん神

「ねぇなんでヨシのことはオッパって呼ばないの？」

『え、だってヨシくんは年上って感じしないんだもん』

「おいこら誰が舐められ顔だって？」

ジュンギュオッパがケタケタ笑う側で少しご立腹なヨシくん。でも本当に、ジュンギュオッパは年上って思えるのにヨシくんの事だけは一つ上には思えないの…むしろ年下って勘違いしそうになると言いますか…

「俺ら今年で卒業だよ？寂しくないの？」

『ジュンギュオッパは重いからどちらかと言うと早く卒業してほしいかな』

「ヨシ〜この子反抗期かな〜？」

でも、確かに寂しいと言えばそれはそうだ

大学3年生になった私の周りには本当に素敵な人たちで溢れている。4年生のオッパたち、タメのジェヒョク、２つ下のハルトとジョンウくん

この、うるさくも充実した環境にいる私は多分かなり恵まれている。もしもこの環境が奪われたら、昨日見た悪夢を一瞬で忘れてしまうようなこの騒がしさとはもう会えなくなってしまう。

「A、どうしたの？暗い顔して…」

『あ、ジェヒョク』

「ヒョン達、あっちでまた変なダンスやりに行ったよ？一緒に行かないの？」

ジェヒョクが言うように、いつの間にやら私が感傷に浸っている間にオッパ達は大きな鏡が置かれた場所に行き、各々変なダンスを踊っているようだった。いつもならその輪に入って一緒にふざけ合う私だけど、どうも今日は寝不足なのが尾を引いているのか中々重くなった腰が上がらなくて床にお尻をつけたまま。

『私、帰ろうかな』

「えー！大丈夫？やっぱり寝不足？」

『うん…なんか身体もダルいし』

「送ろうか？」

『大丈夫。1人で帰れるよ』

「あ、そうだ。ドヨンも今日はもう帰るんだって」

なにを思ったかドヨーン！と離れた場所で身支度をしている彼を大きな声で呼ぶジェヒョク。私は妙な胸騒ぎを覚えた

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