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ダンスサークルといっても本気でやってるわけではなく、好きな曲を好きなように好きなタイミングで踊るだけの本当に自由なサークルだ。月に一度発表会があるんだけどほぼおふざけ大会みたいになってるし、発表したい人だけ発表してこれといって表彰されるわけでも評価されるわけでもない。外部講師の人がたまに来てくれるけどその人もまた気さくな人だからただ駄弁りに来てるような私達にも和気あいあいと接してくれるし、このサークルにガチで取り組んでる人なんて…
あ…
いたわ。
発表会には必ず毎月参加してその度にガチなダンスを繰り広げて、みんなから一目置かれているあの子
普段は自由参加のサークルにもほぼ毎回の顔を出して一生懸命練習してて、服装がかなり奇抜な感じの…確か名前は…
「ドヨンのそれなんの曲?洋楽?」
そうそう、ドヨンくん。
たった今ダンスサークルの人が集まっているこの多目的室にて1人集中して練習をしている彼に話しかけたジェヒョクはそんな彼と仲良いのかな?
「これいい曲ですよ。ヒョンも聞いてみてください」
「おぉまじ?了解聞いてみるよ」
優しい喋り方に柔らかく笑うドヨンくん。うーん、ギャップだなあ…赤とか青とか緑とかいつも奇抜なファッションにあんな激しいダンスを踊る人とは思えないほど、ただ喋ってるだけの彼はわたあめみたいに甘い男の子で。
「なーに見てんの…!!」
『ぎゃっ!!!』
練習着であるジャージ(ほぼ意味ない)に着替えて何をするわけでもなく多目的室の隅の方で体育座りをしていた私の目を背後から覆った人物。それは声を聞くだけで誰なのか分かってしまう
『ジュンギュオッパ〜!ビックリするからやめてよー』
「だってA、何回も呼んでるのに無視するんだもん」
『え、嘘…全然気付かなかった』
ドヨンくんに見惚れていたから、と言ったらなんだか勘違いされそうな気がしたから一先ずそれは黙っておくことにした。私の目から手を離したオッパはそのまま後ろから私の首に腕を巻き付けて、私の肩に顎を乗せている
「そんなお臍が丸見えのジャージなんて着て、お腹冷えるよ?」
『いいの〜これが可愛いの〜』
この前一目惚れして買ったばかりのお臍が出るタイプの白い上下セットのスウェット。お気に入りなのにジュンギュオッパの一言のせいでなんだか気分が害されてしまった
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作者名:dani | 作成日時:2024年3月22日 14時