虹をつかんだ (ページ2)

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ここの大学に入学して良かったなと思う主な理由は、学食がアホみたいに美味しいところだ。特にオススメなのが今私が持っているおぼんの上に置かれた天ぷら蕎麦が軽くほっぺが落ちてしまうぐらいには美味しい。

でも一つ難点を挙げるなら、ここの大学の食堂はすごく混む。空いてる席はどこかなといつも辺りをキョロキョロ見渡しながら席を探さなきゃならないのだ

「あ、ヌナ！ここ空いてるよ〜！」

すると聞き覚えのある低い声が私の耳を掠めて、すぐにその声がした方へと視点を合わせるとそこには…

『ルトヤ〜助かる〜』

私に向かって長い手を大きく振っている２つ年下のハルトを見つけてすぐさま彼の元へと駆け寄った

「はい、ここ空いてるよ」

近寄って来た私を見ながら座ってるハルトは自分の太ももを2回ほど叩いて「ここだよ、ここ」と真顔で言ってくる。ハルトの向かいに座るジョンウくんが「なに言ってんだよお前」と呆れたように言ってるけど本人は全然気にしてない様子。まあでも、他に空いてる席は本当になさそうだしこれはこれでありかも…

『じゃあ座らせてもらおうかな』

「いやいやおかしいから。いいよ俺がここ退けるからヌナはこっち座りな」

もう世話が焼けるヌナだなあなんてブツブツ言いながらカレーライスを急いで頬張るジョンウくん。あっという間に空っぽになった器をおぼんごと持ち上げて「ほら、こっち座りな。ルトの膝の上なんて座るもんじゃないよ」そう言ってそそくさと私に席を譲ってくれた。本当にいい後輩を持って私は幸せだ。ハルトとジョンウくんは同じダンスサークル所属の２つ下の可愛い後輩で、同じくダンスサークルにいるジェヒョクよりも私に懐いてくれている。

席に座り向かい合わせになったハルトが「ヌナってなんでいつも白い服着てるの？」と突然すぎる質問をしてきてちょっと笑ってしまった

『えぇ？そうかな？』

「うん。出会った時からずっとだよ。白とかベージュとか、時々薄いパステルカラーとかも着てるの見るけど、ほとんど白がメインの服ばっか着てるよね」

『あ〜考えてみたらそうかも。私、柄物とか濃い色とか無意識に避けちゃうんだよね』

「なんかヌナって雲みたいだね。雰囲気もフワフワしてるからそっくりじゃん」

なにバカなこと言ってるのよなんて言いながら、物珍しそうに私の白無地のキャミワンピースを凝視してくるハルトを軽くあしらった

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