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今朝は夢見が悪くて夜中に何度も目を覚ましたせいで最高に寝不足だ
ベッド脇にあるお気に入りの丸いサイドテーブル、そこに常備してあった水が入ったペットボトルを目が覚めるたびに喉に流し込んでは再び眠りにつくのを繰り返したから、朝起きた時は床に転がっていた空のペットボトルを回収する作業から始まった
とんだ1日の幕開けだなあと思いながら大学に行く準備を始める。洗面台に向かって歯磨きをしながら鏡を眺めて、目の下にクッキリとついたこのクマはどう消そうか、コンシーラーベタ塗りすれば大丈夫かな、などと考えていたらいつの間にか時計の針が進んでいて、やばい遅刻しちゃうとすぐに思考はお急ぎモードへと切り替わった
大学に着いて講義を受けるものの、教授の話しなんて全く耳に入ってこない。まあでもこの教授はどれだけ生徒が寝てようがコソコソと雑談をしてようが講義に出席すればヨシとしてくれる人だし、もうこの際机に突っ伏して寝てしまおうか、うん、そうしよう
机の上に散乱していたボールペンやらノートを急いで片付けて、いざ寝に入ろうとした瞬間
「A寝るの?悪い子だね〜」なんて後ろの席から声が聞こえて来たから驚いて思わず勢いつけながら振り返った
『なんだ、ジェヒョクか』
段差がついた後ろの席から私を見下ろしているのは紛れもなく高校からの友達であるジェヒョクだったから、改めて寝る準備に取り掛かると「いやいや起きなよ笑」と再び聞こえた彼の声は少し笑っているように思えた。
『もうなに〜?寝不足なんだから寝かせてよ』
「えー暇だから話し相手になってよ」
『ジェヒョクと話すのそろそろ飽きたよ』
「やっ!そんな酷いこと言っちゃダメでしょ」
高校1年の時に同じクラスになった時から、大学3年生になる今に至るまでずっとジェヒョクとは仲良しだ。だから今さら話す内容なんてたかが知れてるし別に今話さなくてもどうせ今後彼と話す機会なんてバカほどあるというのに
「ねぇなんでそんなに寝不足なの?」
『怖い夢見て夜中に何回も起きちゃったの』
「どんな夢?」
『…………それがさあ、覚えてないんだよね』
「なにそれ笑 そんな寝不足になるぐらいの怖い夢なのに忘れちゃうなんて実際は大した事なかったんじゃないの?」
確かにそうかも知れない。でも、夜中に目が覚めるたびに心臓がバクバクしていたのもこれまた事実
んー、不可思議だ
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作者名:dani | 作成日時:2024年3月22日 14時