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部屋の空気に耐えられなくなって、先に部屋を飛び出して行ったのはソクミナの方だった。
“あっちには俺が行くから”って小さく息を吐いたハニにAよろしくと肩を叩かれる。
ああなってしまったソクミナを落ち着かせる方法を自分は知らないけど、Aはハニの方が適任なんじゃないか。
＿＿＿そんなことを言う前にハニは練習室を出て行ってしまったわけだけど。
JS｢あのさ、A」
名前を呼んでみれば、気まずそうに目を逸らされた。
逸らされたというかそもそも最初から合ってなんかいなくて、Aの視線はずっと斜め下を向いている。
JS｢なんでソクミナとあんなことになってたの？」
｢……」
JS｢別に怒ってるわけじゃなくて」
もっと柔らかい言い方があったなと思いつつ、口にしてしまったものは戻せない。
Aの側に寄ってもう一度、今度はAの頭に手を置いて“どうしたの”と声を掛ければ、薄い唇が小さな隙間を作った。
｢オーディション」
JS｢…なに？」
｢公開オーディションに出ないかって会ったこともないお偉いさんに言われて、それをソクミナが誰かから聞いて、知って、ああなった」
JS｢…それは僕も初耳なんだけど？」
｢まぁ、言ってないから」
JS｢ちなみに、スンチョルには…？」
｢言ってない」
JS｢うーん…A、そういうところだよ」
呆れたようにものを言う自分にそういうところって何？とAが顔を上げた。
やけにゆっくりとした瞬きと一緒に長い睫毛が揺れる。
さっきまでの冷ややかな目線は姿を消していて、どこか危なげな琥珀色が見えた。
JS｢ほら、見て。ミンギュとスングァンの顔」
｢…？」
MG｢オーディションって、Aどっかに行っちゃうってこと…？！」
SG｢…僕たちのこと置いて行くんですか？」
｢いや、もう断ってるからずっとここにいるけど」
JS｢断った？」
｢今のチームに対するメリットとデメリットを考えたら、デメリットの方が大きかったから」
ほら、やっぱりそういうところだ。
自分のことはどうでもいいような顔で後回しにして、自らの世界の中心をこんな自分たちにしてしまっているようなところ。
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柊(プロフ) - ゆのさん» ゆのさん！コメントありがとうございます！自分の作品を楽しみにしてもらえているだけですごく頑張れます。ぜひこれからも読みに来てください☺︎ (2022年11月24日 13時) (
レス) id: 5636c3913f (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - お気に入りの通知がたくさん来ていてもこのお話を最初に開いてしまいます！ほんとに大好きなお話なのでこれからも楽しみにしてます！ (2022年11月23日 23時) (レス) @page37 id: 2a4750898c (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 田中さん» 田中さん！そう言っていただけて本当に嬉しいです。以前いただいたコメントがいつも力になっています。これからも好きでいてもらえるよう頑張りますね。また感想やリクエストがあれば、いつでもお待ちしてます☺︎ (2022年11月23日 22時) (レス) @page37 id: 9d9bb9464f (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読むのが毎日の楽しみです！更新されていたら嬉しくて、何度読み返しても楽しくて…本当に大好きな作品です！！ (2022年11月23日 16時) (レス) @page33 id: 9ee7fd89b1 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - アキレス腱さん» アキレス腱さん！IVの方にも足を運んでいただいてありがとうございます！そう言っていただけて感激です。これからもそう思ってもらえるように頑張りますね☺︎ (2022年11月22日 9時) (レス) id: a551900f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2022年11月13日 21時
