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VN｢A」
｢どうしたの。ハンソラ」
あの日から数日。
その日のAは名前を呼べば振り向いて、しっかりと自分の目を見た。
スングァニの応急処置で撮影が終わってすぐ目を冷やしたから腫れることはなかったけど、本人曰く、止め方が分からなくなるくらい泣いたから「体内の水分が足りない気がする」と数日はお気に入りの麦茶を手放さなかった。
大丈夫？と聞かれて、麦茶飲んでるから大丈夫と答える。メンバーが望んでいる返事は絶対にそれじゃなかったのに。
もしかしたらあれは、Aなりの気まずさに対する照れ隠しか何かだったんだろうか。
VN｢はい」
｢なに？」
VN｢指輪渡しに来た。完成したから」
｢…指輪？」
VN｢Aの涙は宝石なんでしょ？」
首を傾げたAに合わせて、自分も首を傾げる。
目を見て３秒。それからぱちぱちっと２回瞬きをしたAは、手に乗った小さな箱を見て“あ”と何かを思い出したように小さく声を上げた。
｢本当だったんだ。指輪にしてくれるって話」
VN｢冗談だと思った？」
｢正直にいえば、うん」
でも、嬉しいよとAが目をきゅっと細くさせる。
VN｢別に俺が贈りたかっただけだから、あとはAの好きなようにして」
｢そう言われてもつけるよ」
VN｢じゃあ、それ小指用だから。右の」
｢うん。上からつける」
VN｢…なんかさ」
｢ん？」
VN｢結婚指輪の上から婚約指輪をつけると想いに鍵をかけるって意味になるんだって」
｢そうなの？」
VN｢シュアヒョンが教えてくれた」
｢シュア？」
VN｢そう。色々一緒に考えてもらったから」
あのさ、Aって名前を呼んだらまた目が合った。相変わらず綺麗で澄んだ琥珀色の目。
やっぱり今日は大丈夫そうだ。
VN｢俺たちがつけてるのは結婚指輪でもないし、Aに贈ったこれも婚約指輪でも何でもないけど、
Aが思ってること、Aがヒョンたちとスングァニとディノから今までもらったもの全部引っくるめて、Aがこれからもここにいてくれたら嬉しい」
そう言えば、いま麦茶持ってないからそんなこと言わないでほしいとAが両手で顔を覆った。
それが冗談だったのか。本気だったのか。
自分には、分からないけど。
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柊(プロフ) - ゆのさん» ゆのさん！コメントありがとうございます！自分の作品を楽しみにしてもらえているだけですごく頑張れます。ぜひこれからも読みに来てください☺︎ (2022年11月24日 13時) (
レス) id: 5636c3913f (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - お気に入りの通知がたくさん来ていてもこのお話を最初に開いてしまいます！ほんとに大好きなお話なのでこれからも楽しみにしてます！ (2022年11月23日 23時) (レス) @page37 id: 2a4750898c (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 田中さん» 田中さん！そう言っていただけて本当に嬉しいです。以前いただいたコメントがいつも力になっています。これからも好きでいてもらえるよう頑張りますね。また感想やリクエストがあれば、いつでもお待ちしてます☺︎ (2022年11月23日 22時) (レス) @page37 id: 9d9bb9464f (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読むのが毎日の楽しみです！更新されていたら嬉しくて、何度読み返しても楽しくて…本当に大好きな作品です！！ (2022年11月23日 16時) (レス) @page33 id: 9ee7fd89b1 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - アキレス腱さん» アキレス腱さん！IVの方にも足を運んでいただいてありがとうございます！そう言っていただけて感激です。これからもそう思ってもらえるように頑張りますね☺︎ (2022年11月22日 9時) (レス) id: a551900f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊
| 作成日時：2022年11月13日 21時
