・ ページ13
．
今日、ウジヒョンが“ベストプロデューサー賞”を受賞した。
ハニヒョンたちと「うちから選ばれたらどうする？」なんて期待半分、冗談半分で話していたから、実際にその名前が呼ばれたときはかなり驚いた。
ホシヒョンなんかは即座に立ち上がって叫んでいたし、ハニヒョンたちは笑っていた。ハンソラだけは少し時差があった気がするけど、それでも“わぁ”って顔だった。
もちろんAもそちら側だった。勢い余ったホシヒョンに肩を組まれて、“おめでとう”と微笑みながら、その腕を退けていたと思う。
そんなことがあったからか宿舎に帰ってきてからもスニョニヒョンのテンションが高くて高くて、対応し切れなくなってここまで逃げてきた。
SG｢今あっちに戻ったらまた捕まるでしょ？」
｢まあ、確実に」
SG｢ってことでちょっと匿ってほしいんです」
｢あははどうぞ？」
ウジヒョンが賞をもらった代わりに＿＿と言ったらおかしいかもしれないけど、Aの名前は呼ばれなかった。
そもそもAは、あまりメディアに対して自分がプロデュース側の人間だと明言してこなかったから。そのことも恐らく関係している。
“何で？”なんて聞いて仕舞えば、“なんとなく”としか返ってきそうになくて聞いたことはないけれど、Aの性格に加えて、事務所の意向が少なからずそこにはあるんだろうと思っている。
けど、ただ純粋な気持ちで２人が同じようにならないものかと考えたことがないと言ったら真っ赤な嘘で。
Aが色んな人から“おめでとう”と祝福される世界線が、どこかに存在しないものかと模索したことは何度もある。
SG｢僕、ちょっと悔しいんですよ」
｢なにが？」
SG｢今日の、授賞式」
｢悔しくなるようなことあった？」
SG｢なかったけど、あったのー」
SG｢ジフニヒョンが選ばれて嬉しいよ？」
｢そうだね。自分も嬉しいよ」
SG｢嬉しいのに、すっごく嬉しいのに、…ちょっと悔しい」
何というか、学生の頃、体育の時間に仲のいい友達同士が試合で戦っていたときに似ている。
どっちが勝っても嬉しいのに、どちらかが“負ける”って事実が、優劣が目に見えるようで嫌だったあの感じ。
SG｢これじゃあ、…Aががんばってないみたいじゃないですか」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 813人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - ゆのさん» ゆのさん！コメントありがとうございます！自分の作品を楽しみにしてもらえているだけですごく頑張れます。ぜひこれからも読みに来てください☺︎ (2022年11月24日 13時) (
レス) id: 5636c3913f (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - お気に入りの通知がたくさん来ていてもこのお話を最初に開いてしまいます！ほんとに大好きなお話なのでこれからも楽しみにしてます！ (2022年11月23日 23時) (レス) @page37 id: 2a4750898c (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 田中さん» 田中さん！そう言っていただけて本当に嬉しいです。以前いただいたコメントがいつも力になっています。これからも好きでいてもらえるよう頑張りますね。また感想やリクエストがあれば、いつでもお待ちしてます☺︎ (2022年11月23日 22時) (レス) @page37 id: 9d9bb9464f (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読むのが毎日の楽しみです！更新されていたら嬉しくて、何度読み返しても楽しくて…本当に大好きな作品です！！ (2022年11月23日 16時) (レス) @page33 id: 9ee7fd89b1 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - アキレス腱さん» アキレス腱さん！IVの方にも足を運んでいただいてありがとうございます！そう言っていただけて感激です。これからもそう思ってもらえるように頑張りますね☺︎ (2022年11月22日 9時) (レス) id: a551900f6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊
| 作成日時：2022年11月13日 21時
