千日紅を咲かせましょう【灰谷蘭】

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次の日１週間ぶりに学校に行った。そしたら涼音が心配したよ。大丈夫だった？など聞いてくれた。優しいななんて思ってたら、ルーズリーフを差し出されて私が休んでいた間の授業のノートをここに書いてくれていた。ありがとうと言ってニコリと笑った。

　「笑った！A笑った。久しぶりに見たよー！」

　『そんな久しぶり？』

　「Aの家行った後から作り笑いだったから、やっと見れて嬉しい！」

そんな風に些細な事で喜んでくれるのはとても嬉しいと思った。
　
このままの生活を送りたいと思った。でも誰かにΩとバレるのが怖い。そんな事を思うと学校に行けなくなった。




ご飯を全く食べれないし、悪夢を見るせいで寝付けれなくなった。前の事があってから部屋から出るのが怖くなった。学校にも行くのが怖くて部屋に閉じ籠る。

よく見る悪夢それは飴と鞭を利用した私の気持ちを上げ下げさせる夢。
最初は蘭さんと恋人繋ぎをしながらお花畑を歩いているシーンから始まる。その時の蘭さんは優しくてニコニコと楽しそうな顔をしながら愛してるよそう言ってくれる。私も嬉しくなって大好きって言う。そうすると辺りが暗くなり、蘭さんに手を叩かれて、腐った生ゴミを見るような目で私の事を見ながら煙草を吸う。そして私の首元に根性焼きをするのだ。私がそれにびっくりしてよろけてそのまま倒れる。そうすると蘭さんは香水が臭い媚びている女のところに歩いていってしまう。そんな夢。

この夢を見るのが怖くて眠れない。鏡を見ると目の下に物凄い隈がある。不細工な顔。痩せこけて数ヶ月前まではあった筈の頬の肉が無く骨と皮だけになった顔。こんなの誰にも見せれない。


お風呂はみんなが家から出た朝の10時ぐらいに入るようにしていた。脱衣所に入り服を脱ぐ。自分の体を見たくないから何も見ないようにすぐにお風呂を済ませた。自分の部屋に戻りパジャマで一日中過ごすのは嫌だからラフな服に着替える。服を脱いで目の前の全身鏡を見てしまう。そこに映ったのは、痣だらけの骨と皮しかない体。全部全部蘭さんがやったのに何も謝ってくれない。こんな体じゃ誰にも見せられないよ。返してほしい。私の優しい蘭さんを誰が奪ったの？

　『神様っ！私の、私の優しい蘭さんを返してよ…。返して！早くっ……』

ぼろぼろと涙が私の頬を流れる。
それと同時に降っていた雨が勢いを増した。私の泣き声はザーザーと流れる雨の音によって聴こえなくなっていた。

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