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KT
海「廉大丈夫？」
廉「・・あかん」
紫耀が暫く個室に移動になっちゃって
とうとう廉も抗がん剤の副作用が出始めたみたい。
どうやら吐き気があるみたいで廉はほとんど口に出来ずお箸を持ったままご飯を見つめてた。
海「先生呼ぶ？」
廉「いや、こんなことで呼ばんでええって。」
こんなことって・・重大じゃない？
玉「海人さん食べられてるー？」
お！その声は！
海「玉森先生良いとこに来た！！」
玉「え？なに？」
海「廉全くご飯食べられてないの」
玉「おお？廉ー」
廉「あ・・玉さん」
玉「気持ち悪くなっちゃった？」
廉「はい・・・，食べたがええのは分かっとるんですけど・・・・」
玉「そうだねー，これならまだいけるかもっていうのある？ここに無いやつでもいいよ」
廉「え、、なんやろ・・・。ちょっとだけ，お米・・」
玉「えっお米いけるの笑。分かった，試しに一口食べてみようか。はい、あーん」
廉「んー・・・，」
玉「お！食べられた！偉いじゃーん！」
廉「ん・・・でも、も、無理っす」
玉「分かった。大丈夫だよ。一口食べられただけでも偉い偉い！」
廉「ん・・・」
玉「あ，廉あともう少しだけその体勢キープできる？お布団一回綺麗にしちゃう」
布団を綺麗に・・？
あ。
廉の枕の辺りには大量に抜けた髪の毛。
そっか，とうとう脱毛も始まっちゃったんだな。
玉「できたー。体倒そうか。よく頑張ったね。」
廉「ん、、たまさ、あり、、と、ござ、、、す」
玉「いーえー。寝られそうなら寝ちゃっていいからね。」
廉「はい、」
海「先生，廉寝ちゃった？」
玉「うん、寝ちゃった。あれ，海人も全然食べられてないじゃん。お腹痛くなっちゃった？」
海「ううん廉が心配で食べるの忘れてたの」
玉「そっか。じゃあ海人は全部食べられる？」
海「うん。ねえ僕っていつになったら普通のご飯食べられるようになるの？」
玉「もう少し先かなー」
海「えーそれっていつ？適当すぎない？」
玉「アハハ！検査結果が安定して良くなって，このご飯を残さず順調に食べられるようになったら次は柔らかいご飯になるから」
海「えっじゃあ普通のご飯はさらにその後？」
玉「そうだね」
海「遠すぎるよー」
玉「まあそう焦らず一緒に頑張ろ！ね！」
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作者名：風音色
| 作成日時：2022年7月16日 19時
