全てが僕たちの宝物Ⅷ (ページ28)

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TF
廉・海「あ！藤ヶ谷先生！」

お？

薬の副作用とマッサージのおかげかまた寝ちゃった紫耀を置いて医局に戻ろうとしたところで声を掛けられた。

藤「どうしたの？」

海「あの・・紫耀大丈夫？」

藤「大丈夫だよ！もう意識も戻ってるし少しずつお話も出来るようになってるからもう少し待ってくれる？」

廉「はい！紫耀いつ頃戻ってこられそうですか？」

いつ頃？難しい・・・

藤「うーん，そうだな。少なくともあと5日はICUで様子を見ようかなって思ってるよ」

廉「分かりました，待ってます！何かあったら知らせてください！それと，紫耀に伝言で待ってるって伝えてもらえますか？」

藤「分かった！二人ともありがとね。伝えておくよ」

午後の回診のときに伝えようかな

・

・

藤「紫耀，来たよー」

紫「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ，ﾝ"ﾝ"っ，ぁ、せん、せ」

藤「さっき廉くんと海人くんに会ったよ。伝言で，待ってるって。良かったねー」

紫「ｹﾞﾎｯ，ん，」

藤「あー痰絡んじゃってるな。吸引しようか」

紫「ｹﾞﾎｯ，きゅ、い、ん？」

藤「うん。一瞬苦しいけどちょっとだけ動かずに頑張ろうね」

紫「ん、」

藤「口開けられる？そう，そのままね。管入れるよー」

藤「吸引するよ」

ズズズズッ

紫「！！ｹﾞﾎｹﾞﾎｹﾞﾎｯ」

藤「あと3秒ね。3,2,1終わり！」

紫「ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ，ﾝ"，はぁはぁはぁ・・・」

藤「ごめんごめん苦しかったね。よく頑張りました！」

苦しくて生理的に出ちゃった涙をそっと拭って頭をなでなでした。

藤「でも痰無くなってすっきりしたでしょ？」

紫「・・ん、した、けど、くる、しぃよ、あれ」

藤「そうなんだよねー、ごめんねよく頑張ったね」

吸引って確かに痰をとってくれるけど吸引するときって息が出来なくなるからすごく苦しいんだよね。

吸引も久しぶりでびっくりしたし疲れちゃったかな。

一時的に息しやすいように酸素濃度をあげて様子を見ていたら段々落ち着いてきたみたいでそのまままた寝ちゃった。

多分これから暫くは吸引しなきゃいけなくなりそうだけど頑張ろうね。
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