俺のワンダーウーマン【青】 (ページ7)

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「お邪魔しまーす。」

家は思いの外広く、1LDK。
部屋の中はピンクの小物もあり女の子らしいが、基本的には木目のナチュラルブラウンと白が基調の落ち着く部屋だった。

最寄駅は泉岳寺駅で、仕事をする上での立地も申し分ない。

『こっちの部屋は入らないように。今布団出しますから。』

俺はリビングにいるように言われ、ラッキーは隣の部屋から布団を持ってきた。

「ラッキー、俺はリビングで寝泊まり？」

『はい、居候なんで文句なしでお願いします。
……あと、家でラッキーは嫌なんでやめてください。』

「じゃあなんて呼べばいいん？名前知らねんけど。」

『あ…福田Aです。あだ名は福からラッキーに。』

「じゃあAでいいやんな。」

俺がそう言うとAはちょっとだけ顔が赤くなって、しばらく固まった後、

『…。じゃあルールを決めましょう。』

と淡々と話した。

「俺、ええこと考えたんやけど。」

『えっ……何ですか？』

明らかに嫌な顔をするAはすぐ顔に出るから面白くて仕方なかった。

「まあまあ。笑
俺、家財道具全部燃えたわけやし、家住むってなったら色々大変なわけ。一応芸能人やからな。
やから、数日やなくて、次の家決まるまでしばらくここに居させて欲しい。」

『………はぁ。』

「そこで提案なんやけど、ここの家賃関係全部俺が負担するって言うのはどう？
もちろん、今まで通りAは部屋使ってもらって構わへん。で、光熱費も俺持ち。
そのかわりご飯を作って欲しい。2人分の食費だけ出してくれればおっけー。どう？」

Aは少し考えたフリをしたが、美味しい条件やと思ったのか、少しだけ口元が緩んだ。

『わかりました…、交渉成立です。』

「っしゃぁーー！！」

『その代わりひとつだけ。
………一緒に住んでいることは誰にも言わないこと。これだけは守ってください。』

「もちろん、俺かてバレたらアイドル生命終わりやから！」

俺らの奇妙な同居生活の1日目はこんな話をしてすぐにお互い眠ってしまった。