俺のワンダーウーマン【青】 (ページ22)

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小「……うぃっすー。」

目をこすりながら起きてきた望は、そのまま冷蔵庫の缶コーヒーを片手に窓の外を見てる。

小「……ん？Aちゃんやん。」

「名前で呼ぶな。」

本人の前では福田さん呼びやったのに、居ないところではいつものお調子もんで、
なんだかそれに腹が立って頭を後ろから小突いた。

小「ぅおっ……いった！！
って、そんなん、ちゃうくて見てみ！！！ ………あれ、やばない？」

「……え？」

窓の外を見ると、
黒いバンから出てきた男がAの腕を引っ張り、Aを車に乗せようとしていた。

俺は気づいたら部屋を飛び出して、急いで外へ向かった。

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「おいっ！！！！」

俺がエントランスから出たところで大声で騒ぐと男はこっちを見た。
Aは涙目やった。

……この男の顔、どっかで見たな。
そんなことを考えながら俺は拳を振りかざしてその男の方へ向かっていった。

『…流星くん！！この人、警察官で武道もできてるから流星くん1人じゃ勝てないよ……。』

Aは、か細い声で、そう叫んだ。

男「なんだよ、戦うことすら出来ないのか。
まあ芸能人は、お顔に傷つけられないからなぁ。笑」

男は俺を嘲笑い挑発してきた。

男「婚約中の俺の彼女と一緒に住みやがって……」

あ、こいつ。

Aの婚約者か。

俺はそこで記憶が繋がった。

でも、だとしたら……

「……俺は場違いやった？」

泣いてるAを見たら全然幸せそうじゃないけど、俺らは付き合ってるわけでもないし、
俺はAのことを何も知らへん。

もしかしたら、俺のがタイミング間違えて登場しちゃったヒールやったかもしれへん。

そんなこと考えてたら柄にもなく泣きそうになった。

『違うの！！

この人とは……もう終わってるの…………流星くん…………。』

俺が去ろうとすると、Aがそう呼び止めた。