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「……で、結果がこのザマか?」


「……返す言葉もございません」


研ぎ澄まされた一言が、ぐさりと精神を抉る。結局彼等に迷惑を被らせてしまった以上、この選択をした私が悪いのだから。


「まあまあ、そんなに責めんとったってえや。其れが最善やと思うたんやろ?」


「……はい」


些細な嫌がらせは予想して居た事だった。だからこそ、こんな事に幹部の手を煩わせることこそ愚の骨頂だと思った。


まあ、相手が気骨あったせいか、結局手を煩わせているみたいだが。


「犯人は見た事ある?」


「それが……無いんですよね」


此方こそ監視カメラつけて姿位見ようとすれば見られたのかも知れないが、犯人を探そうと言う気力がなかったので、そんな事をしようとさえ思わなかったのだ。


「今回の事の時も?」


「はい。後ろからいかれてしまいまして」


米神を指さす。正直、死なずに気絶だけで済んだことが貰いものだ。まあ、手加減はしたんだろうけど。


「ンー……言い逃れされそうな感じやなあ」


頭をゆっくり掻く上司。
まあそうだろう。清掃目的で入ったメイドなら、指紋や髪の毛などは何の証拠にもならない。他、部屋に入って居たり、そう云った物が紛れ込んで居そうなものを部屋に運び込まれたりすることがある奴が犯人の場合、言い逃れの未来しかあるまい。


嗚呼、悔まれる。階段から落とされそうになった時、何故顔が見られなかったのか。あれは確かにメイドの服装だったが。


まああの時犯人探しとか考えてなかったんだから仕方がないんだけど、それにしても、こう言う事態になる事を想定して犯人らしき人を特定する事が、無駄になる筈がないだろうに。


「心当たりは?」


「……性格の事と、後は多分、私の今の立場が気に入らないんじゃないかと」


「犯人の方の」


「全く」


抑も人と関わり合う事だって少なくて、だと言うのに、名前も顔も知らない人たちから後ろ指を指されている。


裏を返せば「全員に心当たりがある」のだから、結局は「ない」に等しい。


「あー、詰んどる……」


天井を仰ぎ見る我が上司に、何だか御免なさいと呟いた。


「否、まあ、仕方ないわ……。今回の件は、大先生と……俺で預かるか」


「えッ!?」


思わず、無礼もへったくれも無く声を上げてしまう。一寸待て、何でそんな大事になって居るんだ。別に何処か体の一部を失った訳でもないのに……否、相当神経は摩耗したけど。

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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月20日 18時) (レス) id: fb24f34b5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遥彼方 | 作成日時:2019年8月20日 18時

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