[wrwrd]青に溶ける (ページ13)

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「否、無いな。他の幹部も含め、色んな奴と話す機会はあるけど、何も無いで」

薄い桃色のマカロンを細長い指に抓んで、一口、齧る。少し幸せそうにしている。

オスマン。
若々しい木のような明るい茶の癖掛った髪に、赤い小さな帽子。少し細められ気味の瞳の奥には、理知的な深緑が鋭い光を隠している。例の如く整った顔立ちをしている。

「まあでも、其れ位じゃないと大ちゃんの補佐とか務まらないよな」

マスクの位置を直しながら、ちらりと鬱先生を見遣った。

ひとらんらん。
深めに被った軍帽から覗く夜のような黒髪。赤くバツ印を入れたマスクで顔の半分以上を覆って居るが、凛とした目元とそれに反した優しい瞳は、見えずともその美貌を確約している。

「情け容赦なく大先生引き摺って行きますもんね」

上品に笑いながら、紅茶を口に含んだ。

エーミール。
ヘーゼルの髪に、色素の薄い瞳。物柔らかな表情と控えめな態度は、優し気で端麗な顔立ちを更に柔らかな物にしている。

「逃げ場所まで大体把握してるもんな。今日大先生探し取った時にばったり会って訊いてみたら、マジで城内に居った」

シャオロンが感心した様に言う。

「補佐って云うより母親みたいですね」

何処か電波的な声で、飄々とした瞳を鬱先生に向けた。

ショッピ。
色褪せ気味の茶髪が、常時被っている白いラインの入った紫のヘルメットからちらりと覗く。これまた端正な顔立ちの中にある少し怠気な藤色の双眸は、彼の掴めない緩い空気を凛と引き締めている。

「母親にしろ補佐官にしろ、もうちょっと俺の扱い優しくしてほしい……」

或る程度素出しても何も云わへんのは助かっとるけど、と唇を尖らせた。

鬱先生。
夜と云う物が来る瞬間の空を切り取った様な紺碧の髪に、深い海の様な鮮やかな青の眼。軽薄な微笑が常に口端に漂う。

「マジでもう俺そろそろ、A補佐官に『毎日＜缶詰の日＞にして』ッて頼もうかな」

書記長から来た確実な死が待ち構える言葉に、鬱は「あのートン氏？其れ僕が死ぬ奴なんですけど―……？」と顔を引き攣らせた。

「何、其の『缶詰の日』ッての」

「あー、知っとる。大先生が仕事溜め込んでそろそろヤバい時に何日か部屋に封じ込まれとる奴やろ？」

幹部たちの態度にはそれぞれへの壁は無く、其処から窺えるのは気心の知れた仲間への圧倒的な信頼だった。

＊＊＊

幹部今はこんな感じにしときますー。
ぺ神さんたちも出そうとは思ってます