【東京喰種】嫌いから始まる⇒恋。2【霧嶋絢都】 (ページ12)

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嫌い⇒好き 60 ページ12

アヤト「スー…スー…」

貴方「……」

あの後、ノロさんがアヤトさんを部屋に運んでくれた

今アヤトさんはベッドで眠っている

私はそんなアヤトさんの横に座ってジッと見つめていた

カネキさんが…あんな人だと思わなかった

最初は怖い人だと思ったけど、トーカちゃんを助けたりして…本当はいい人なのかも。って思ったのに

まるで、何も感じないかのようにアヤトさんの骨を折った
あの時のカネキさんの目は……感情なんてなかった

ただただ無心に…ひたすら骨を折っていた

それに…

『“おそろい”にしてあげようか??』

あの目が…私に向けられたあの目…あの言葉…

今思い出しても…身震いしそう

貴方「あ……包帯替えなきゃ」

私は立ち上がってアヤトさんの部屋を出た

包帯を取りに色々と置いてある…
物置のような所へ向かった

貴方「ぁ……」

そこには

カネキ「……」

今一番会いたくない人がいました

私はパッと視線を逸らした

カネキ「……何取りにきたの??」

話しかけられてビクッとなってしまう

貴方「ほ……うたいを…」

少し控えめにそう答えると
「はい」と言われ、包帯を渡されたので

貴方「ありがとう…ございます…」

そう言って包帯を受け取った

カネキ「…アヤトくん……大丈夫??」

貴方「え……あ、えっと…今は、寝てます」

そう答えると「そっか」と言い、少し俯いた

少しの間沈黙がはしったが…

急にカネキさんの手がスッと私に近づいてきた

私はあの時の事を思い出してギュッと目を閉じた

ヤバイ…

そう思った

だけどカネキさんの手は…

ポンと私の頭に優しく置かれた

貴方「え…??」

びっくりしてカネキさんの方へ目線を向けた

カネキ「ごめんね……」

カネキさんは凄く悲しそうな顔をして、そう言った

「それじゃあ」と言ってカネキさんは何処かへ歩いて行ってしまった

私は少しの間その場に突っ立っていた

本当は…カネキさんはあんな事したくなかったんじゃなかったのかな