【東京喰種】嫌いから始まる⇒恋。2【霧嶋絢都】 (ページ11)

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嫌い⇒好き 59 ページ11

カネキさんは、それでもやめなかった

カネキ「次は脚。『大腿骨』から数えれば腕と同じで30本。『種子骨』も含めれば…32本」

バキバキと容赦なく折っていく

私は不意に耳を塞いだ

音が……

何かが折れる音しか聞こえない

誰かの唸るような声しか聞こえない

いやだ、いやだ

カネキ「『肩甲骨』と『鎖骨』に…。『鼻骨』と『頬骨』『涙骨』『口蓋骨』それぞれ2本ずつ」

ベキバキィバキ

アヤト「あッ…い」

貴方「いやぁ…」

やめてよ

耳を塞いでも、音は聞こえた

カネキ「『肋骨』は24本全部いこう」

バキバキバキッ

アヤト「ああッ…!!ぐっ…」

やめて
もういいでしょ

貴方「う…あぁぁぁ…」

私はギュッと髪を握りしめた
聞こえないように…

カネキ「『上顎骨』ふたつ『下顎骨』『師骨』…」

バキパキ

アヤト「が…」

貴方「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

カネキ「『蝶形骨』」

バキィッ

アヤト「ィ…ア…」

少しの間、シンと静まりかえったがすぐにカネキさんが口を開いた

カネキ「…痛い??トーカちゃんは…もっと辛(いた)かったと思うよ」

私はバッとカネキさんの元へ行き
ギュッと彼の服を掴んだ

貴方「も…やめて……死んじゃ……アヤトさん。死んじゃう…!!」

泣きながらそう訴えると
カネキさんは鬱陶しそうに私を見た

カネキ「僕の忠告……聞こえなかった??僕がアヤトくんに何しても…入って来るなって言ったよね」

そう言って、体ごと私の方を向いた

カネキ「そんなにアヤトくんが大事??だったら……“おそろい”にしてあげようか??」

カネキさんの手がゆっくりと私に近づく

貴方「ぁ…」

私は怖くて動けなかった
反射的にギュッと目を瞑ると

「こーら、カネキくん」

後ろからギュッと誰かに抱き締められた
びっくりして後ろに目をやると

エト「女の子に暴力はダメだよ」

ニコッとわらったエトがいた

カネキ「……」

スッとカネキさんは私から手を遠ざけた

エト「あらら??」

そう言ってエトが見つけたのはアヤトさんだった

エト「わ、大変。アヤトくんボロボロ」

「ノロさん」と言うと、いつのまにかそこに居たノロさんがアヤトさんを担いでそのままスタスタと歩いて行った

貴方「アヤトさん…死んでないよね??」

不安になり、そう聞くと

エト「大丈夫だよ。アヤトくん強いから♪」

そう返されて、少しホッとした