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垂れる血を拭いながら彼女は虎杖を見た。
今すぐにでも、彼女に駆け寄って肩を抱いて大丈夫か?と心配したい。謝りたい。
だが、また宿儺が現れて彼女を傷つけてしまうのでは無いかと思うと怖くて近づけなかった。
虎杖「大丈夫か…?ごめんな!宿儺がたまに出てくるんだけど…」
心底申し訳なさそうに、眉毛を下げてそう言う虎杖にAはゆっくり近づいた。
だらりと下がる彼の手を取ると、Aはぴとりと自分の頬をつけた。
空気を読んだように宿儺は現れなかった。
『大丈夫。誰かと関わることを怖いと思っちゃだめよ。少なくとも私は悠仁の手が大好きなんだから。』
そう言われて虎杖は少し泣きそうになるも、ぐっと堪えてありがとう。と言った。
Aは満足そうに小さく笑うと帰ろっかと虎杖と手を繋いだ。
五郎がやったのだろう、いつのまにか彼女の耳はすっかり治っていた。虎杖は後で怒られるのだろうなと身震いしながら、繋いだ手の体温に安心する。
女子寮までくるとAはバイバイと手を振って建物内に入っていった。
男子寮に戻る虎杖の背中はひどく寂しそうだった。
彼女を守ることは自分にはできないのかもしれない、隣にいることで辛い思いをさせてしまうのかもしれない。
そんな考えが彼の頭の中を巡っていた。
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[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月24日 8時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
Ciel - めっちゃ面白いです!吾郎くんがかっこかわいいです。便新待ってます! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 5e4a1d1d6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴっぴ | 作成日時:2021年8月10日 12時