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お二人からは、
見えへんようにと、

まだ震えてはるAお嬢様と修太郎坊ちゃんを、
胸にきつく抱く。


「章大、修を迎えに来てくれたん?」


「そうや。
一緒に京都に行こ」


「うん!
修な、いっぱいいじめられても、
寂しくても頑張って耐えて、
一人で、姉様と章大のこと、
待っとったんやで」


いじらしいお言葉に、
目の奥が熱くなる。


Aお嬢様も修太郎坊ちゃんも、
裸足で、足に切り傷をたくさんこしらえてはる。


「僕のせいで、
こないな目に遭わせてしもて。
ほんまに申し訳ありませんでした」


「そんな、章大さんのせいやありません。
私が悪いんです。
私が世間知らずやったばっかりに、
騙されてしもて・・・」


「ご自分をお責めにならんといて下さい」


「章大さん・・・」


お嬢様が目に涙をためてはる。

胸が潰れそうや。


肩をきつう抱いて。


「もう二度と離さへんから安心し。
俺が守ってく」


愛おしさが、言葉となって、溢れ出した。








街に出て、
お二人の着物と下駄を誂えた後。


葵ちゃんにだけは、
別れのご挨拶をされたいと、
お嬢様がおっしゃって。


今日は休日やからと、
お宅に向かうたら、

ちょうど、
翔さんが自動車に乗り込むところやった。

お見送りに、
葵ちゃんも出て来てはる。


「安田君!Aさん!
ちょうど今から、
松下のお屋敷に向かう所なんだ。
一緒に来られますか?」


「どういうことですか?」


「喫茶千景の店主の、
大野さんから連絡頂いて。
松下家の登記を渡すから、
来て欲しいと」


「大野さんが?
どうして」


「調べた所、
住倉の叔父は、
大野さんに土地を売却したらしい。
けど、なぜ大野さんが連絡を下さるのか、
僕にもよく分からなくて」

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亜季(プロフ) - 移行でまだ続きが読めるの嬉しいです! (2019年11月7日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ちょうど良いところでまたお預けに笑 章大さん優しくて可愛いです。君がためも読んできました!たくさんの更新ありがとうございます! (2019年11月7日 15時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ついに2人が…と思ったらお預けで、私が焦らされてます笑 続き楽しみにしています。 (2019年10月29日 7時) (レス) id: 1daab7209e (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - やきもち焼いて、ちょっと乱暴になる章大さんがかわいい! (2019年10月21日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
むー(プロフ) - おまけの更新、とっても嬉しいです!続きも楽しみにしていますね。 (2019年10月21日 22時) (レス) id: d961b44abd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2019年6月14日 21時

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