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Aside
こんなに悲しいお見送りは初めてのことやった。
少しひび割れたまんまの、
駅舎のプラットホーム。
病を治すために、
静岡にあるサナトリウムに向かう、
すみれさんに付き添われたお父様と、
京都へ赴く章大さん。
お父様は、
それほど遠くへ行かれるわけやないけど、
それでも、
離れる寂しさは、
身を切るような、
心細さがある。
修太郎は、
自分も一緒に汽車に乗るとばかり思うておって。
懐いておった母上様と別れると知って、
泣きじゃくり始めた。
「修太郎さん、
お父様のお身体が良うなったら、
私たちはすぐに帰って来ますよ」
すみれさんが、
修太郎をたしなめてくれてはるものの、
「修も行く！
父上様のサナトリウム、
一緒に行くねん！」
癇癪を起こして、大変や。
私も、ほんまは大声をあげて泣きたかった。
章大さんと、離れとうない、
一緒に京都に連れて行って欲しいと。
けどそれは、どうしてもかなわん。
今の私は、
章大さんの足かせにしか、
なられへんから・・・
「修太郎坊ちゃんは、男でしょう？
そしたら、姉様を守ってやらんといけません」
章大さんが、修太郎を抱き上げはって。
そうおっしゃった。
途端に、修太郎の顔色が変わった。
「A姉様を？
修が守るん？」
「そうです。
姉様が笑顔でおられるように、
寂しいないように。
僕がお二人を迎えに来るまで、
僕の代わりに・・・
いつもおそばにおってやって下さい」
「・・・分かった。
A姉様はか弱いおなごやから。
修が守ってやらんとあかん」
章大さんが、抱いてた修太郎を、
再び、プラットホームに降ろしはる。
「そうや。
坊ちゃんは強いなあ。
男同士の約束やで？」
修太郎の頭に掌を乗せて、
そう言わはって。
それから、指切りをしてはる。
「うん！
修、章大と男同士の約束した」
あんなに駄々をこねておったのに、
修太郎は、もう笑ってる。
章大さんは、まるで魔法がお使いになれるようや。
西へ向かう汽車が、
プラットホームに入って来た。
すみれさんに支えられて、
お父様が、先に汽車に乗り込まれた。
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亜季(プロフ) - 移行でまだ続きが読めるの嬉しいです！ (2019年11月7日 22時) (
レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ちょうど良いところでまたお預けに笑 章大さん優しくて可愛いです。君がためも読んできました！たくさんの更新ありがとうございます！ (2019年11月7日 15時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ついに2人が…と思ったらお預けで、私が焦らされてます笑 続き楽しみにしています。 (2019年10月29日 7時) (レス) id: 1daab7209e (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - やきもち焼いて、ちょっと乱暴になる章大さんがかわいい！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
むー(プロフ) - おまけの更新、とっても嬉しいです！続きも楽しみにしていますね。 (2019年10月21日 22時) (レス) id: d961b44abd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年6月14日 21時
