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「からかうのは、やめて下さい。
大学へはいつでも戻れます。
まだまだこちらでやるべき事が沢山ありますし。
僕も手伝いを・・・」
言いかけた僕の言葉を遮るように。
「章大さん、
私、修太郎と共に、
亡くなった母の生家の、
住倉の家へお世話になろうと思うてるんです」
Aお嬢様は、やけにきっぱりとした口調でおっしゃった。
「え・・・」
「お父様にはここよりも、
もっと空気の美しい土地で、
治療して頂きたいと思うてたんです。
すみれさんが、
サナトリウムに、
お父様をお連れすると、
おっしゃって下さって。
一度は申し訳なくお断りしたんですが、
お父様にもすみれさんにも、
その方がお幸せやと考え直して。
お言葉に甘えさせて頂こうと思うんです。
その治療費や、
莫大な税金、
修太郎を来春から、
尋常小学校に通わせる学費やらを、
ひねり出すためには、
この土地を売却せんことには、
立ち行かんなってしまいました。
お恥ずかしい話ですが、
私は、お金の使い途など知らずに、
この年まで育ってきましたから。
面食らうばかりで・・・
そんな折、住倉家の方から、
申し出て下さったんです。
修太郎の学費も、
私の師範学校の学費も、
まとめて面倒見て下さると」
離れるのは、寂しいけれど・・・
Aお嬢様にとっては、
その方が、ええんかもしれへん。
いつまでも、
雨風防ぐだけの使用人の長屋になど、
住まわせておかれへんとは、思うてた。
使用人もおらん、
京都の学生下宿にお連れするのも、
忍びない。
悪事を重ねて貯めた、
僕とすみれ姉様の資産も、
今回の震災による、
物価の上昇で、
ほとんどなくなってしもた。
学生の身で、
付いて来て欲しいなどと、
申し上げることは、
出来へん。
親類の、その上、
華族のお方のお屋敷なら、
さぞかしお心強いやろう。
以前と変わらぬお暮らしがかなうはずや。
「大学を卒業して、
弁護士になったら暁には、
必ず迎えに来ます。
住倉様のお屋敷で、
僕を待っていて下さいますか？」
「もちろんです。
私ね、夢があるんです」
「尋常小学校の教師になる夢ですか？」
「それもありますけど・・・
もうひとつ。
いつか、お父様が手放されてしもた、
京都の邸宅を買い戻して、
あやめの花の咲き乱れる、
あのお屋敷で暮らす事です」
「いつか必ず叶えましょう。
僕が弁護士になって、
Aお嬢様が教師にならはって。
二人で・・・」
「はい。必ず」
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亜季(プロフ) - 章大さんが助けに来てくれた！もう死んでもいいと思ってしまいましたー。 (2019年6月11日 22時) (
レス) id: 48f0771830 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - あぁぁのめり込みすぎて…。章大さん来てくれて嬉しいけど苦しい(；；)きっと大丈夫ですよね…？？みんな幸せになって欲しい…！！ (2019年6月11日 20時) (レス) id: 3006a8e7b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりちぱ(プロフ) - ドドドどーなるんでしょう（ ; ; ）あぁ、二人には幸せになってほしいですー（ ; ; ） (2019年6月11日 20時) (レス) id: 6a5ff5c9be (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 誤解が解けて良かったです！！でも章大さんどこに行ってしまったんでしょう…早く主人公を迎えに来て欲しいです。。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: a229f99d7b (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - そろそろ迎えに来てくれないと死んじゃいます、章大さん！ちゃんと話しに来てくれる所が、やっぱり根っから真面目な人ですね。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: 48f0771830 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年5月28日 10時
