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円卓には、
すみれ姉様と、俺、それに松下。
「一人、足りひんやないか」
松下がぼやいた時に、
「悪ぃ。遅くなっちまった。」
大野の旦那が、裏口から入って来はった。
大野の旦那は、
祇園の舞妓やったすみれ姉様の水揚げの相手や。
俺の勝手な推測やけど、
すみれ姉様の初恋の相手なんちゃうかなて。
借金肩代わりして、
祇園の屋形から、
神楽坂の置屋に引き抜いてくれはったんやて。
すみれ姉様のことを、
妹のように可愛がってはって、
今だに、俺ら姉弟にようしてくれてる。
おまけに、松下とは、
なにかと事業で敵対する、
因縁の相手らしい。
「大野、お前の店やったんか」
「違ぇよ。
ここは、紛れもなく、
すみれと章大の店だって。
俺は１銭たりとも出資はしてねぇ。
とっとと始めようぜ」
大野さんの掛け声で始まった、賭け麻雀。
こっちは３人ぐるの、
イカサマ博打やねんから。
松下に勝ち目なんかない。
分かってて一人で乗り込んできたんは、なんでや？
２０円金貨の束がいくつも連なって、
じゃらじゃらと、
すみれ姉様の懐へと転がり落ちてく。
知らずに強い酒を何杯も煽った松下は、
そのうち、酔い潰れてしもて。
牌を持つ手も、おぼつかんなって、
雀卓の上で半分、眠りかけてる。
「外に運転手待たせてるやろ。
呼んでくるわ」
立ち上がりかけた俺の着物の肘を、
松下が、掴んだ。
「追い詰めたら、
弱音吐いて戻って来るか思たのにな。
大したもんや」
聞こえてきたヤツの戯言に、
頭に血がのぼってく。
「ふざけんな。
俺はお前の駒やないねん」
松下の着物の襟元掴んで、引き上げる。
一年前はとてつもない大男や思てたけど、
やせ細った今のこいつは、
軽々と持ち上がって、宙に浮いた。
「・・・二度と顔見せんな」
裏口まで引きずって、
まるで壊れたガラクタのように、
扉の外に放り出す。
いつの間に雨が降ったんか、
ぬかるんだ地面。
あいつの顔に、泥が跳ねる。
角の街灯の下に停められてた、
見覚えのある自動車。
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亜季(プロフ) - 章大さんが助けに来てくれた！もう死んでもいいと思ってしまいましたー。 (2019年6月11日 22時) (
レス) id: 48f0771830 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - あぁぁのめり込みすぎて…。章大さん来てくれて嬉しいけど苦しい(；；)きっと大丈夫ですよね…？？みんな幸せになって欲しい…！！ (2019年6月11日 20時) (レス) id: 3006a8e7b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりちぱ(プロフ) - ドドドどーなるんでしょう（ ; ; ）あぁ、二人には幸せになってほしいですー（ ; ; ） (2019年6月11日 20時) (レス) id: 6a5ff5c9be (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 誤解が解けて良かったです！！でも章大さんどこに行ってしまったんでしょう…早く主人公を迎えに来て欲しいです。。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: a229f99d7b (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - そろそろ迎えに来てくれないと死んじゃいます、章大さん！ちゃんと話しに来てくれる所が、やっぱり根っから真面目な人ですね。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: 48f0771830 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年5月28日 10時
