お忍びデート~�� ページ4
ここに着いたのがもう17時とかだったから、乗り物はちょっとしか乗れなかったけど…。
気づけば只今の時間、20:50。帰る時間も考えれば、もうそろそろここを出なければならない。
「あい、ツリーの所行こうぜ。」
そう言いながらも私の手を取って走る凛翔。
「ちょ、ちょっと…！」
凛翔のペースで走って、ツリーの前に来た私たち。
着いた時には息切れ状態で文句を言おうかと思ったけど、ツリーを目にして怒りなんてものはなくなった。
「綺麗…。」
「…俺、プレゼントとかなんも用意してねぇんだ…。今度遅れて渡すけど…、今はこれが代わりでいいか？」
ものすっごく申し訳なさそうな顔をして言う凛翔。
…………バカ。
「もう充分だよ…。」
今日、久しぶりのオフなのに遊園地に連れて行ってもらって、しかもチケット代とかも全部払ってもらって…。
「…ありがとう凛翔、大好き！」
「俺も。……大好きだよ。」
そう言うと凛翔が顔を近づけてきた。私は目を閉じようとしたその時…、
「あの二人って…、俳優の小林凛人とモデルの渡辺ゆあじゃない？！」
「え、うそ？！…うわ、ホントだ！」
……やばい、見つかった。
「あい、走るぞ！」
「えぇ？！」
凛翔は余裕そうだけど、また全速力で走ることとなった私。
気づいた人が大声で言ってしまったから、急に大騒ぎになってしまった。
そして、まぁ何とか騒ぎから抜け出して避難した場所は駐車場。
なんでも、凛翔のマネージャーさんが迎えに来てくれているのだとか。
「はぁはぁ…、あい大丈夫か？」
「こ、これが…はぁ…大丈夫に…見え、るの？」
「じゃねーな、ごめん…。」
何とか息を整えることら出来たけど……。
「…結愛。」
「え…ｯ！」
普段は呼ばない本名で呼ばれて思わず反射的に振り返った私。
その途端、唇が重なった。目を瞑る間もなかった。
でも、凛翔の気持ちがキスから伝わってきたから…、私は目を瞑った。
どのくらい時間が経ったのかは分からない…。
祐也がものすごい笑顔で
「…メリークリスマス、あい。」
なんて言うから…。私は、
凛翔に抱きついて言った。
「メリークリスマス、凛翔！」
ー 天空莉亜 ー
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