【オリジナル】白き夜、星屑の空。 (ページ13)

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雪降り積もる空の下　４ページ13

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　肴をつまみながら持ってきた焼酎を温めた熱燗と日本酒数本を開け、紅白を観始めた。今年はどうやらアイドルが多いらしい。演歌歌手も何人かいるが、昔より少なくなった気がする。

　暫く紅白を見ながら酒を飲んでいたが、いつの間にか時間は23時50分。あと10分程で年明けとなる。いつもは23時頃に寝入っていたが、今年は違う。
　今いる広間の２つ隣にある客間で、３人並んで寝るのだ。途中のニュースが終わった頃に若い使用人が布団を暖かくして寝る準備が出来たと報せを受けていた為、年越しをしたらすぐに眠れる。
　紅白後のニュースも観終わり、新年へのカウントダウンが始まった。

『それでは、新年までのカウントダウン、残り１分となりました。早速始めましょう！ ――30、29、28……』

　テレビに映るアナウンサーが数字を言い始めた。今年も残すところあと僅か。クリスマスにはお互いプレゼントを交換しあって一緒に寝た。

『……５、４、３、２、１。新年、明けましておめでとうございます！』

　今の言葉は可笑しい。正確には「新年おめでとうございます」か「明けましておめでとうございます」が正解である。

「無事に新年を迎えられて良かったわね。では桜達、今年１年も宜しくね」
「はい、此方こそ宜しくお願いします」
「「宜しくお願いします、麗梛様、榴様」」
「ああ、此方こそ宜しく頼むよ。朝起きたら近くの神社に初詣に行こうか。皆で一緒にさ」
「あらいいですねあなた。朝霧所有の山に１つ神社がありましたね。彼処なら人間はあまり立ち寄らないですし、いたとしても宮司や神職系なので安心だわ」

　早くも起床した後の予定を立て始めた両親。計画性の早さに相変わらずと苦笑しながらも、それこそが自分の親だと実感する。最終目的である年越しを終えたら、後は寝るだけ。早々に両親に寝る旨を伝えて布団が用意されてる客間へ向かう。
　部屋に着き襖を開けると、暖かい空気が廊下に出てきた。暖房を入れていたのか、中はとても暖かい。部屋の中央には横に３つ、各々が普段は押し入れの中に仕舞ってある布団が畳の上に置かれている。
　桜は真ん中にして、紅姫は彼女の右、紅汰は左の布団に入り込んだ。

「こうして新年迎えるの初めて。今年も宜しくね、２人とも」
「はい。此方こそです」
「今年も、そしてこれからも宜しくお願いしますね、桜」
「うん！」

　３人身を寄せ合い手を繋いで、幾つか船を漕いだ後、深い闇へ意識が吸い込まれていった。