ファンファーレに乗せて。 ページ4
夏。それは私達３年生吹奏楽部にとって大事な時期。
引退を目前に控え、最後のコンクールがある。
今年の目標は"金賞"去年銀賞だったこともあり
みんな熱が入っている。
私のパートは通称「クラ」のクラリネットパート
木管楽器で、リードさえ鳴れば音が出る簡単な楽器。
サックスに入りたかったものの入れず、このパートに廻ってきた。
3年間続けたこの楽器はかなり愛着もわき、私のパートナーとなった。
いつもの練習時間
私のパートは校庭が綺麗に見える
校庭を汗だくになって走っている"彼"に私は密かに想いを寄せている。
足が速く、陸部スタメンの彼はモテる
自分にチャンスが無いことがわかっていても、
ついつい目で追いかけるのが癖になっていた。
今日も同じ様に追いかけ様と彼の姿を校庭に探す。
…いた。
自然に頰が緩み、力が抜ける。
今日も彼のおかげで絶好調な私は勢いに任せ楽譜を見ず吹き出す。
気持ち良い。
暗譜していた楽譜が頭の中にフワフワと浮かんでくる。
指が勝手に動く感覚。
ひと通り吹き終わって基礎練を始める。
そんな時
「A〜？」
部長に呼ばれた。部長の近くまで行って声をかける
「はーい」
「お、来た。
陸部がファンファーレの券取ってきたからクラも1人出れるって」
そう言った部長はニヤリと薄気味悪く笑った。
「私が…？」
陸部を間近で見れる…？
「そうだよ。どう？彼のために行ってみない？」
彼のため。と言うのはほっといて
「行きたい！ありがと！」
部長に抱きついて、お礼を言う。
あ、部長は女子だよ。
「じゃあこれが楽譜ね。他校の中に混じるからよく練習して？」
「うん！」
渡された楽譜を開いてみると音符がぎっしり。
普段吹いているのより難しい楽譜に気後れする。
彼を見に行くためだ。頑張らなくちゃ。
小さく「がんばろ」と呟けば
風に流されて消えていった。
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恋花-renka-(プロフ) - 7さん» すいません。ありがとうございます直しておきます！、 (2017年10月15日 16時) (
レス) id: a7985c3076 (このIDを非表示/違反報告)
紅緋(プロフ) - 7さん» 誤字訂正についてのお知らせ、ありがとうございます。作者に言っておきますね。 (2017年10月13日 23時) (レス) id: f5f16bb771 (このIDを非表示/違反報告)
7 - ファンファーレに乗せて。の「まじか」は「まぢか」ではないでしょうか？漢字に変換しますと「間近」となりますので……。 (2017年10月13日 23時) (レス) id: edc28a4a4f (このIDを非表示/違反報告)
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