橋の上で、貴方と一緒に……３ ページ26
*
ふと、空を見ていると隣の桜が寄りかかってくる。突然の事で驚きながら見やると、彼女は目を閉じていた。
「……どうしたんです？」
「いや。……思い出しちゃってね、昔のことを」
「幕末の頃の、ですか？」
「……………………うん」
長い沈黙のあと、そう言った桜は、自身の腕を紅汰の右腕に巻き付ける。彼女の柔らかな胸が腕に当たるが、それは考えないことにしてかつての記憶を呼び起こした。
平和になった現代から約150年ほど前、桜と紅汰、そして彼の双子の姉・紅姫は当時あった『新選組』に一時期与していた事がある。『新選組』は佐幕派で、京都守護職で松平藩主である松平容保の庇護下で、反幕府派の連中を取り締まっていた武装集団だ。そんな組織の中に、彼らは入っていたのである。
特に桜と紅姫は女の身であるが刀を持ち、それを幕府のために振るっていた『新選組』の紅一点だった。今では淑やかな少女だが、戦になると非情になり、敵を斬っていた。そんな『新選組』も1869年には廃止され、かつての面影を少し残して現代では普通の少年少女として生活している。
だが、敵が来たときは別だ。彼らは徹底的に相手を殲滅しようと攻撃する。いくら３人が不死身(？)とはいえ、重傷であればあるほど治癒するのに時間がかかる。
現在はそんな敵も出てくることはなく、戦いとは無縁の平和が続いていた。……やはり、平和が一番だと実感する。
「あんな戦争は、２度とあってほしくはないですよね」
「そうだね。確かに、その通りだよ」
「戦争をよく知る自分達からしてみれば、何故あんなのを起こしたのかが甚だ疑問ですが。…………ところで、喉渇きませんか？ 何か買ってきますが」
「本当、なんで戦争なんてしようと思ったのかね。不思議だよ。結局米軍に負けたし。そうだね……水でお願い」
「わかりました、買ってきますね。此処で待っててください」
「うん、行ってらっしゃい」
紅汰はするりと腕を抜き、近くの飲み物を売っている屋台へと掛けて行った。その姿を見送りスマートフォンを巾着から出した桜は電源を付け、今の時間を確認する。現在は18時40分。そんなに時間は経っていないらしい。
LINEを起動して何かメッセージが来てないか確認していると、頭上に影が射した。誰かと思いながら顔を上げると、チャラそうな高校生と思わしき男性が３人立っていた。
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恋花-renka-(プロフ) - 7さん» すいません。ありがとうございます直しておきます！、 (2017年10月15日 16時) (
レス) id: a7985c3076 (このIDを非表示/違反報告)
紅緋(プロフ) - 7さん» 誤字訂正についてのお知らせ、ありがとうございます。作者に言っておきますね。 (2017年10月13日 23時) (レス) id: f5f16bb771 (このIDを非表示/違反報告)
7 - ファンファーレに乗せて。の「まじか」は「まぢか」ではないでしょうか？漢字に変換しますと「間近」となりますので……。 (2017年10月13日 23時) (レス) id: edc28a4a4f (このIDを非表示/違反報告)
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