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6日目 ページ8

___ある程度の時間は走り続けているが、脱落者はあまりいないらしい。
……この世界の住人はこういったものに強いらしい。


「いつ終わるんだよ……これ」

「まだまだ時間が掛かるだろうな」


階段を登り始めた所で既に何時間か経過しているが、脱落者の人数も増えてきている。

……此処からだと、試験官の姿が見えないな。


「ロクサス、前に行くぞ」

「試験官見えないし……それでいいな」


オレ達は走る速度を上げ、周りの者を抜かしていけば、あっという間に前列へと到着する。


「あ、おーい! A、ロクサス!」


すると、予想外な事にキルアも前列へと来ていた。


「その人達は誰?」


キルアの横にはいつのまにか同じ歳程の少年もいる。逆立った髪の真っ直ぐな目をした少年だ。


「Aとロクサスだってさ。
……あ、そう言えばお前らって年いくつ?」


不意に、キルアはオレ達にそんな質問を投げかける……年齢?
ノーバディには無い概念に、ロクサスと顔を見合わせれば、じっと考えた。


「……16歳だ」

「おれは……15歳?」

「何でそんなに疑問形なんだよ。
まあ、オレとゴンとあまり年は変わんねーな」


何故、年齢を気にするんだろうか。
ロクサスも解らないらしく、首を傾げている。


「そうなんだね……あ、オレはゴン! ねぇ、何でそんな格好してるの?」


格好……このコートの事か。


「別に……何でもない」

「つーか、見えてんのか? それ」


フードを深く被っているので、顔は全く出ていないように見えるのだろう。


「見えているので問題は無い」

「ふーん、お前ら変だな」


…正体を晒さない為だ、仕方がない。


暫く四人で会話をしていると、
前方に光が見えてきた。


「出口だ!」


何時間か走った末、
この薄暗く長い階段に終わりが見える。

体力的にもまだまだ平気だろう。


「あ、そうだ!
競争しようぜ、誰が一番乗りになるか。」

「それ、いいね!
じゃあ、負けた人がご飯おごりね!」

「え……」

「……オレはやる気はないぞ」


そう言うと二人は「えー」と駄々をこね始める。
……付き合ってられん。


「A……」

「……わかった、一度限りだ」


……何故お前も其方につくのか。
諦めから溜息を吐くと、此方を見る三人に向けてそう告げる。



「やったー! じゃあ、行くよ?」


「「よーい……ドンッ!」」


合図と共に階段の飛び越える段数を大幅に上げ、駈け上がる。
勝負というからには負ける気は無い。

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作者名:レフト | 作成日時:2017年5月27日 19時

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