40日目 ページ42
「…何? まさか勝てると思ってるわけ?」
突然立ち上がってキーブレードを出したオレに、警戒をする一同。
「一つ……疑問に思っていた事がある」
「……? 急にどうしたの?」
キーブレードを持ったまま、前から気になっていた事を口に出す。
如何やら、話は聞いてくれるらしいな。
「水見式……というものを教えて貰い、それを施行したんだ。
それで、ロクサスは水が溢れた事で強化系と判った。
……では、オレは? 水の色が次々と変化し、挙げ句の果てには水上に浮かんでいた葉も石へと変化してしまった。
さて……オレは何なのだろうな」
その答えはもう解っている。
「へぇ……俺と同じ特質系か」
その言葉に、オレは頷く。何系にも当て嵌まらない現象が起きる場合には特質系と言っていたからな。
「答えも解ったところで、此処から脱出させて貰うぞ」
「……無理だね。 あんたは逃げれない」
いいや、逃げれるぞ。
たった今発現した念能力で。
「言質は取った」
「……何だ?」
逃げられない。
その真実を新しい真実に塗り替える。
色の無い真実に色を足すんだ。
「
オレは逃げる事が可能だ」
そう告げた途端、周りの空気が変わった。
周りには色のついた霧が立ち込める。能力は発動した様だ。
「何したの?」
「……この際、説明した方が道理に合っているな。
この念能力は相手の言った紛れも無い真実を塗り替え、別の真実に変える……というものだ。
今逃げられないと言われた様に、如何考えてもそう易々と逃げられる状況ではない。
だからこそ、この真実を変えなければならない」
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作者名:レフト | 作成日時:2017年5月27日 19時