35日目 ページ37
「うっ……げほッ!」
突然の嘔吐感で意識が浮上する。
起き上がろうとすれば、腹に響く痛みに思わず呻く。何とかケアルをかけて回復をすれば、ゆっくりと起き上がった。
「おっ!やっと起きたみたいだ」
「ッ……!!」
すると、突然背後から声が掛かり、反射的にその場を飛び退いて声の方向を見る。
其処にいたのは、オレの反応に困った表情を浮かべる見知らぬ男だった。
「ごめん、驚かせちゃったね。でも逃げることないだろ?」
「……誰だ貴様は」
油断せずにキーブレードを出しては、慎重に問いかける。すると、其奴は感心した様子を見せた。
「……へぇ。それって念能力じゃ無いんだね。
僕の名前はシャルナーク。君達を捕らえてる旅団の一人だよ」
そういえば……オレとロクサスはあの男女二人に気絶させられたのだ。だとしたら、だ。
「ロクサスを何処へやった」
「もう一人の子?
……ああ、別の所にいるよ。まあ、君が大人しくしていたらあの子は殺さないからね」
生きてはいるのだな……それなら良い。
「態々捕らえて、オレ達を如何するつもりなんだ」
「どうするって……えーと、うーん……団長の命令だからなー。ま、団長が来たら分かるよ」
……
「……そうか」
「あれー? もう質問は終わり? もっと訊いてくるかと思ったのに」
状況把握は出来たのだから、これ以上質問もあるまい。
「ちぇっ……って、あ。噂をしてれば団長が来たみたい」
念能力らしき物体を耳に当てて誰かと話していたシャルナークという男は、不意にオレの腕を掴む。
「じゃ、行こっか」
そして、そのままオレを引っ張って行った。
「___その子供達がそうか?」
其処には、旅団と呼ばれた者達が集まった大きな一室の瓦礫の山に座っている男が居た。
「確かにそうだネ。 ワタシこいつら見覚えあるヨ」
「ああ、そうだな。 確かにこんな面してたな……」
最初に見かけた人物もちらほらいることが窺える。
それにしても……予想以上に人数が多いな。
「A! 怪我ないか?」
「……問題無い」
ロクサスも下手に動けないので、精々会話くらいしか出来ないが無事で何よりだ。
すると眼鏡を掛けた女性が、団長と呼ばれる男に問い掛ける。
「ねぇ、団長。 この子達どうするの?」
「そうだな……まずはこの子供達がどんな力を持っているのかが知りたい。
パクノダ、頼む」
「ええ」
その男の指示に、一人の女性が了承と共に此方に近付いて来た。
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作者名:レフト | 作成日時:2017年5月27日 19時