【王国心】狩人の世界の調査【H×H】 (ページ34)

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32日目ページ34

基地に帰るなり、一週間分の報告書をすぐ様仕上げれば、サイクスに手渡す。

「……約一週間、お前らは不在だったが」

受け取ったサイクスは報告書に目を通し、顔を上げて此方を睨みつける。
……ロクサスも何故睨み返しているんだ。

「任務だ。仕方がない」

「そんな事分かっている……おかげでこっちは大惨事だったんだぞ」

……大惨事？如何言う事___

その言葉に首を傾げたその瞬間、廊下の方から大きな足音が此方に近付いてくる。

「Aーっ！！やぁっといたあああああ！」

迷惑な大声を上げては、廊下の奥から現れた其奴は形振り構わず此方へと飛び込んで来た。

「うっ……！」

そしてやって来た衝撃に、思わず呻き声を洩らす。
こんな傍迷惑な奴といえば、機関の中では大分限られるものである。

「デミックス……」

「もー、何でいなかったんだよー！
待ってたんだけど！？」

サイクスが言っていたのはこういう事か。
ぎゅうぎゅうと締め付ける様に抱き着くもので、引き離す事も、はたまた動く事さえままならない。

全く……何故其処までオレに絡むんだ。
日常茶飯事といえばそうであろうこの状況に、溜息を吐きたくもなる。この調子だと、まだ他にも……

「……Aから離れろよ」

……そうだ。此処にも増えたんだったな。
その声で振り向き、鋭い目で睨むロクサスを見たデミックスは___一瞬目を細めたが、直ぐに笑顔に戻る。

「……なになに？どったのロクサス？
別にさー、ロクサスはずっとAと一緒だったんだから良いじゃーん」

「なー、A」と、抱き締める力を更に強めれば、有無を言わさずといった様子で此方に笑いかけて来るデミックス。

「お前っ……！」

その行動により、ロクサスにも火がついてしまった様で……瞬く間に言い合いが始まった。

「……騒がしいからやめろ」

流石に見兼ねたらしいサイクスも睨みを一層鋭くして、何故かオレを含んだ此方側を咎める。

「そんな事言ってー……サイクスも同じだって事おれ、分かってるんだからね？」

するとデミックスの謎の言動により、サイクスはそれ以上言う事も無く、顔を逸らしては舌打ちをする。
同じ、とは一体如何なものなのか。

「報告の途中だから取り敢えず離せ。用は終わってからにしろ」

痺れを切らし、説得まがいのそんな言葉を掛ければ、案外直ぐに離してくれる。
そして報告を終わらせれば、その後も抱き着かれる羽目になった事は言うまでも無い。