26日目 ページ28
ロクサスが、最後の一匹を一振りで倒す。
「いつもよりずっと早い……」
「成る程、念は身体能力も強化出来るらしい」
広範囲に渡って拡がっていたオーラを今度は一点集中として手に集め、軽く其処に投げつける。
「ぐあっ！！」
「……オーラを広げる事で察知も出来る」
隠密者に命中したオーラは、其奴を気絶に追いやれば背後の木に大きく穴を開ける。
恐らく、オレかロクサスを標的としている者だろう。
別にロクサスのターゲットでも無いので、そのまま放って置くことにした。
ハートレスを倒し終わり、念を大分扱える様になってきた時、ある事を思い出す。
「そう言えば……系統があると言っていたな」
系統は……汲んだ水とその上に浮かぶ物を乗せれば調べる事が可能らしい。
……準備をするか。
「……何だこれ？」
オレ達の目の前に置いてあるのは、汲まれた水の上に葉が乗っている謎の物体。本当にこれでいいのだろうか？
「オレも正直言ってよく分かっていない。確か、此処に念を翳せば……」
そう言いながら其処に念を流してみると……驚く事に、途端に水の色が次々と変わっていった。
「水の色が……変わった……」
水の色が変わると放出系と言っていたが……流石に色が変わり過ぎていないか。
それに加えて、水上の葉も突然光り輝く石へと変化する。
すぐに念を止めると水の色は元に戻るが、葉が変化した石はそのまま光り輝いている。
「放出系なのか、特質系なのか判断が難しいな……ロクサスもやってみろ」
「わかった」
ロクサスも再び葉を乗せた物に、オレと同様の事を繰り返す。
「……水が増えてる」
ロクサスが念を流せば、勢い良く水が増えて辺り一面を水浸しにした。
「強化系、だな」
「……なあ、強化系とか何のことなんだ？
オレとAじゃ、何か違うし……」
何だか不満気な表情をしたロクサスが疑問を口にする……その疑問ももっとも。
「……オレの系統は判断が付かないので割愛するが、念には六つの系統があるらしい。
今の水が溢れる現象は強化系の反応そのものだ。
お前の様な強化系は身体能力の強化が主流で、バランスが取れている。
例えば、キーブレードに念を流すことで攻撃も強くなる……という事だ」
「じゃあ、そうすればオレも強くなれるんだな！」
説明を聞いたロクサスは、一転して張り切った様子で早速練習をし始めた。
「……自分で考えるのも必要……まあ、いい。それは後でやることとしよう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
