17日目 ページ19
暫く進んでいると……通路が大きく開け、多勢の人間達が奥の方からやって来た。
「お前達受験生には、今から100対2のデスマッチをして貰う！
ルールは簡単！ お前達が死ぬか負けを認めるまで終わらない！！」
……成る程。 それは簡潔で良い。
最初の試験官の言動から、ヒソカは前にもハンター試験を受けている事が分かっている。
きっと、前の試験からの行動で危険視されているのだろうな。
「始めッ！」
そんな合図と共に、向こうの人間共は一斉に此方へと襲い掛かってくる。
「キミは……大丈夫そうだね♢」
「自分の心配でもしていろ」
この位……どうという事もない。
相手は唯の人間だ。オレ達やハートレスより断然弱い、軟弱な存在。
「……サンダガ」
向かって来た者に魔法で雷を落とす。
最上位の雷魔法は、一番範囲が広い。敵の殲滅には最も手っ取り早い方法だ。
「ぐわああああ！！ 」
その通りに、其奴は大きく悲鳴を上げたかと思うと、間も無く音を立てて倒れていく。
如何やら威力が強すぎた様で一瞬のうちに瀕死に追い込んだ様だった。
弱過ぎる……サンダーでもどうにかなるな。
「……ハートレス退治の方がよっぽど骨があるぞ」
小さくそう呟きながらも、オレはキーブレードを構えて向かってくる者達をどんどん潰していった。
「___う、うわあああああ！！」
「お前で終わりだ」
百人目でいて、完全に戦意を喪失して逃げ惑っている其奴の頭部にキーブレードを叩き込む。
倒れ込んだ其奴の周りには、まるで死体の様にピクリとも動かない者達がそこら中に転ばっている。
手加減はしたので、死んでいるという事は無い筈だ……恐らくだが。
「お見事♡」
……オレに拍手を送る此奴は此奴で、中盤辺りから全くもって戦いに参加していない。
ずっと……オレを観察していた。
「貴様も参加しろ……まあ、良い。 先へ進むぞ」
此奴は言われて行動をしないタイプだ。オレの勘がそう告げている。
ずっと見つめられる恐怖を誤魔化す為にも溜息を吐けば、取り敢えず向こうで開いた扉を進んで行く。
「……」
延々と浴びる視線に、とうとう気付かないフリをしては第一次の試練を抜けていった。
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
