【王国心】狩人の世界の調査【H×H】 (ページ15)

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13日目ページ15

先程から、試験官の彼女は電話で誰かと言い合っている。やがて彼女は電話を乱雑に切り、大きく溜息を吐いた。

___すると、受験生の一人が遂に堪忍袋の尾が切れた様子で試験官に殴りかかった。
……まあ、如何にもならなかったのだが。

その姿を見て静かになった受験者達。合格者0という事実に騒然としていると、誰かが上を向いて叫んだ。

「あ！！あれはハンター協会のマーク！！
審査委員会か！！」

見上げれば、此方に飛んでくる飛行船の姿。
そして、気が付けば其処から一つの影が落ちてきたのが見えた。

「おじいさんが落ちて来た……」

ロクサスの言う通り、落ちて来たのは一人の老人。百メートル程はあろう所から地面へと着地したその者は、平然な顔をしていた。

如何やら、このハンター協会の最高責任者なのだと。

「メンチくん」

「はい！」

その老人の呼び掛けに、流石の女性試験官でも畏まっている様子。それは兎も角、次に老人は提案を出した。

___聞けば、審査員は続行し次は試験官が実演という形で参加する……というもの。
その案に試験官も賛成し、もう一度の機会がオレ達に与えられた。

___現在はマフタツ山という名の、山の頂へと訪れている。
その名の通り、山が真二つに分かれていて、裂け目は下が見えない程だ。

お題はゆで卵……今からその素材を取りに行く。

「それじゃお先に」

靴を脱いだ試験官はそのまま、崖上から飛び降りる。
側から見れば投身にも捉えられそうな行動だが……彼女は糸で繋がれている卵らしき物体を取り、下から吹き上げた風で此方へと戻って来た。

「成る程、これなら容易く終わる」

「まだ料理よりマシだ……」

そして、試験官の説明直後にオレとロクサスは同時に飛び降りる。
それに続いて飛び降りる者も、およそ半分の数がいた。

糸に掴まり、目的の卵を取る。

「さっさと戻るぞ」

「ああ」

返事をしたロクサスを確認し、回廊を経路に崖上へとワープする。

「採って来たぞ」

「オレも」

「うわっ！あんた達今どっから……！！」

すると、如何やら試験官の近くに移動したらしく、試験官にひどく驚かれた。
……そのまま崖を登った方が良かったか？

暫くもすれば、風に吹き上げられ宙を舞った者達も帰って来る。その様子を見るに、飛び降りた者の殆どは帰って来られたらしい。

……兎に角、第二次試験クリアだ。