11日目 ページ13
説明を聞くに、まずはあの巨漢の男が出すメニューを作ればクリアの様子。
「おれのメニューは豚の丸焼き！ おれの大好物」
因みに、この森林公園にいる豚なら何でも良いらしい。
料理とは難しいものだと聞いていたが……捕らえて焼くだけならまだオレにも出来そうだ。
そして、男の合図で受験者達は一斉に走り出す。
「行くぞ、ロクサス」
「ああ」
オレとロクサスも其方に着いて行き、目標の１段階目として豚を探す事となった。
___見つけたは良いが、状況は良くない。
「普通の豚ってこんなに凶暴だっけ……」
「周りの様子を見るに、この世界でも珍しい種類の様だな」
オレ達は只今走っていた。
いきなり豚の大群に追いかけられ、周りも阿鼻叫喚状態である。
通常よりも体格が大きく、まるで凶暴な猪の様に人を追撃する豚。鼻の部分が発達しているのか、他の部位よりも頑丈だ。
その巨体と突進力を見ては、潰されでもしたら流石に無事では済まない事が予測される。
……しかし、だからこそ分かったんだ。
「ロクサス、ああいうものには弱点が必ずある。
例えば、恐ろしく発達しているあの鼻は頭部を守る為にある……とかな」
「見ていろ」と、途端に立ち止まれば、立ち向かう為に豚の方へと跳躍する。
「やあっ！」
そして、構えたキーブレードを豚の脳天に叩き落とす。ぐにゃりと嫌な手応えがしたそれに、不本意ながらも正解だと思えた。
その通りに、豚は大きく叫び声を上げて地面に倒れ伏す。
「そっか、そうやるんだな……！」
オレを見て学んだロクサスも、同じ様に飛べば、頭部をキーブレードで叩きつける。
そして、同じ様に豚も倒れて意識を失った。
ロクサスも中々に出来る。
「ファイガ」
魔法を使用し、其の儘豚を焼く。
焼き加減は判らないが、これが手っ取り早い。
対してロクサスも魔法を使用して、豚の丸焼きを作った。両方共どうやら成功した様だった。
「あとは、あいつに渡せばいいんだよな？」
「そうだな」
そうしてオレ達は回廊を使い、試験会場へと戻って行った。
結果は……普通に合格だ。
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作者名：レフト | 作成日時：2017年5月27日 19時
