【男主】家出息子の旅路録 3【ONE PIECE】 (ページ9)

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「――……っ」

大人しく話を聞いていると耳に入ってしまったある情報に、俺は唇を強く噛み締めた。

……まず、この一連の流れを纏めるとするならば、ルフィが連れていた謎の下半身の正体がサムライだったという事。
更に無かった頭はサンジ側の方で発見されており、残る上半身もブルックが見かけたそうだ。

次に、今迄口を閉ざしていた茶ひげと名乗る男の話。
……何処かで見た覚えがあると思えば、父上のナワバリを荒らしていた海賊の一部だ。
あの時は適当な場所に蹴り飛ばして退けていた為、安否の確認はしようが無かったな。

それはともかく、その男から語られるのは、この島に半獣の人間がいる理由と、その人間達を救ったMと呼ばれる者の話だ。如何やら茶ひげはMという人物を良く慕っているらしい。

「兄さん！あのヤローを捜してくる！」

その話を聞いている間にも、サムライが自らの胴を探すために抜け出した模様。
ナミの姿をしたサンジとブルック、そして何故かゾロの三人は消えたサムライを捜しに行った。

サンジの身体があの状態なので、俺も同行したい所ではあったが……少し子供達の様子が気になっていたんだ。
曰く、病気を治す為に連れてこられたといいう、大小様々な体格をした子供達。

「……おい、お前達……大丈夫か？」

「白い髪のお兄ちゃん……あのね、ちょっと頭痛いの……」

何だか体格の大きい子供中心に気分が快く無いのか、険しい顔をし始めたので、声を掛けてみた次第がこれだ。

「これって……！」

すると、今迄子供達の病状を調べていたチョッパーが何かを呟いたその途端――特に体格の大きい子供が突然苦しみ出した。

それを皮切りに、他の子供達も苦しみ出しては次々と頭を抱えて蹲る。

「お前達今欲しいものはないか？いつもこの時間何してる？」

そして、チョッパーが子供に質問を投げかければ「キャンディを貰う」と、全員に一致した言動が見られた。
そこでチョッパーは全てを把握した様子で。普段では考えられない程の怒りに満ちた表情で、次に彼はこう言った。

「[NHC10]子供達の体内から出てきた。
微量だけどこれは……覚醒剤だよ！！」

「え……」

確かに、これにはチョッパーが怒りの形相で涙を浮かべる理由も理解出来る。
何せその事実を知った俺も、心臓をナイフで貫かれた様な衝撃に襲われたからだ。