【男主】家出息子の旅路録 3【ONE PIECE】 (ページ6)

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「必殺"緑星"！！」

湖を渡る方法として……何とウソップが船として、オールとして使える植物を生成し、それで渡る事に。
いやはや魚人島での戦闘を見ていても分かったが、彼は中々に面白い技術を身につけた模様。麦わらの一味は相変わらず俺を飽きさせない。

まあ、それはさて置き、俺達はそのボートに乗り込むと対岸を目指して進み始める。
しかしながら、暫くすると先程ルフィに張り倒されたケンタウロスもどきが、岩を此方へと投げつけてきた。

そして間も無く、角笛の音が辺りに響き渡るなり、対岸に多数の人影が現れるのが確認出来る。
それは皆が皆同じく下半身が別の動物へと変わっている人間達で。
更にはボス、という単語も耳に入り、あの緊急信号が誰に向かって発信されたのかも判明した。

その者達も岩を投げてくると思いきや、飛んで来たのは大きめの鉛玉___砲弾だ。
そしてバズーカという、どう考えても自然では調達なんぞ出来ない筈の道具によってこのボートへの集中砲火が開始されたのだった。

「このままでは転覆しそうだ」

ルフィが先頭に立ち、何とか跳ね返して応戦するが……水面に撃たれれば即転覆の状況になるのは明白だ。
此方側には能力者が二人、更には水面下に大きめの気配を複数感じるので泳ぐなんて以ての外だろうな。

「……仕方がない」

着弾と人々の声で騒がしい中、溜息を吐いた俺はボートを降りる。
そして水面へと着地し___ルフィ達の乗っているボートごと持ち上げた。

「あっ！そういや、A水の上歩けるんだったな！」

「前から気になってたんだが……どうなってんだこれ！？」

「……その様な事を気にする前にお前達はしっかりと掴まっておけ」

ウソップの言葉をはぐらかす様に勧告すれば、ボートを上へと持ちながらも走り出す。
そして、彼らがしっかり掴まっているだろうと思做し、それなりの速度で砲弾を掻い潜ると、直ぐにその者達の驚愕めいた顔が近くで見えて。

「邪魔だ」

最後に着地点に留まる其奴らを一蹴して散らせば、無事にその地へと足をつけられた。

「お前達、怪我はないか……おっと」

「速すぎんだろ……」

ボートを地に降ろして彼等の様子を見ると、何があったのか非常にぐったりとしている。

……人を運ぶ時はもう少し速度を下げるべきか。

少しの間を置き、気温差に気が付いたのか寒がり始めた彼等に少し苦笑いを溢しては、呆然としているその者達へと目を向けた。