【男主】家出息子の旅路録 3【ONE PIECE】 (ページ5)

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「見ろよホラ！くっついたぞー！」

そして気が付けば、意気揚々と背中にそれをくっつけては遊ぶルフィの姿が。

……やはりドラゴンの件といい、断面が貼り付けられるのは彼奴の能力が想起される。

誰かの下半身にジャーマン・スープレックスよろしく地面に叩きつけられるルフィを横目に、確信に近い物を感じたその時___何かを見つけた様子のゾロから声がかかった。

「……ああ、島の中心まで来たのか」

そして、彼のいる溶けかかった建物の上へと立てば、辺りが見渡せて。
炎の熱気が立ち昇る此方側とはまた異なり、其処から見えた湖を挟んだ先の景色は噂通りに、吹雪く極寒の雪山地帯であった。

「……ん？」

前情報を聞いていたとはいえ、此処まで明瞭に分かれているとは思わなかったといった様子の一味が些か唖然としている中……不意に感じた気配に俺は背後へと振り向く。

そうすると視界に入ったものは、腕は翼、足は鳥という一見して人間とは思えない容姿をした女性だ。
俺は声を上げずとも驚いたが、程なくして気を取り直すと少し考え込む。

確かあの姿に俗に言う名称があったな……ハーピーだったか。

「……ふふふ」

じっと見つめていると、俺が察知した事に気が付いたその女性は意味深長に微笑む。
そして大きな翼をはためかせてはすぐに去って行ったその姿に、俺は少し眉を顰めた。

僅かの間を置き、今度はウソップの鞄の中から電伝虫の声が鳴り響いた。
ウソップが取り出して応答すれば、通話の先の人物はブルックの様で。話を聞くところによると、目を覚ましたら船に乗っていた仲間がおらず、周りは雪と氷だったという。

如何やら睡眠ガスの様なものを散布され、意識を失っている間にブルック以外の者達が攫われたらしい。
場所は彼方側、建物も確認出来る様なので恐らくサンジ達はその場所にいるのだろう。

ウソップ達の会話の一方、何故かルフィが先程友達になったというケンタウロスもどきを蹴り倒していた。
その後にはもう一人似た容姿を持つ男がルフィに襲いかかるも、ロビンが訳無く其奴を倒す。

……この島には政府とは関係ない組織が蔓延っているのかもしれない。

まあそんな事は兎も角、攫われたサンジ達の救出をするべく、俺達は雪山地帯へと踏み入れる事になった。
まずはこの湖を渡らなければならないがな。