54ページ目 ページ9
大きな水飛沫を上げて、姿を現したのは中型の海王類。
「うおっ！」
「ッ……！」
おれを掴んでいる者は咄嗟に空を飛んで避けた。
懐からナイフを取り出すも、現在も上昇中の為に狙いが定まらないので、とりあえず適当にその海王類へとぶん投げる。
すると、奇跡的に海王類の喉元に当たって風穴が空き、海王類は断末魔を上げる前に生き絶えた。
その様子を見ていた者が驚いたような、怪訝に思うような表情をして言った。
「……一体何者だよい、お前」
「いいから離せ！ 空になんていたら目立ってしまう！」
気が立っていたのか、やかましく喚き散らすおれに「海を歩く方がよっぽど目立つだろ」と、その者は呟きながらも少し考える仕草をする。
「……まあ、いくら腕の立つガキだろうが、見つけたからにはカームベルトに置いて行く訳にはいかねェよい」
そういえば、この者は悪魔の実の能力者なのだな。
何の能力かは知らないが、炎を纏っている鳥の姿で飛翔しているところを見ると、ゾオン系のようにも思える___って
「は？ ……おい待て、どこに連れて行く気だ
離せと言っているだろう……話を聞けっ！！」
聞く耳を持たないその者はおれを変わらず掴んだまま、どこかへ進み出した。
_____
___
_
引っさらわれて来たのは、見覚えのある海賊旗を掲げた海賊船。
「おお、帰ってたのかマルコ……って何だその黒づくめのガキは？」
「カームベルトで彷徨ってたから連れて来たよい」
「ハァ！？ どうしてガキがンな所に……」
おれを掴んでいる者ともう一人の人間が会話をしているが生憎、おれは放心状態で話の内容を聞いていられる余裕など無かった。
その海賊旗のドクロは、持つ情報量の少ないおれでさえ知っている。
「白ひげ……海賊団……！？」
「知ってたのかい……別にそんな警戒しねェでも取って食ったりはしねェよい」
いや、警戒しない方が無理があるだろう。
勝手に連れてこられたあげく、そこが名の知れ渡る最強の海賊団なのだから。
何も言えず固まったままのおれを「とりあえずオヤジの所に連れて行くよい」と、人の姿に戻ったそいつが抱えては進み出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 409人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レフト(プロフ) - マルさん» コメントして頂きありがとうございます。精進して参りますので、今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月23日 22時) (
レス) id: 5a76fd57a1 (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - 続き楽しみに待ってます！ (2019年7月22日 20時) (レス) id: 11bc736d7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レフト | 作成日時：2018年1月8日 14時
