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「おお! Aもいる! ひっさしぶりだなァ〜!」
暫く走っていれば、今更ながらルフィが俺の存在に気が付いた。
「ああ、久し振りだなルフィ」
「ちょ、ちょっと待てルフィ! 何でお前兄さんって分かったんだ!?」
すると、驚いた様子のサンジがルフィに問う。
恐らく、ルフィは姿の変わった俺に気付く様なタイプでは無いので、不意を食らったのだろう……では、答えようか。
「半年前を最後にルフィとは会っていたんだ。その時にはもうこの姿だった」
「Aもレイリーに修行をつけてもらってたもんな!」
そう、ルフィの言う通り、俺は度々ルフィ達のいるルスカイナへと訪れていた。
___覇気の精度をより向上させる。
その為にレイリーと会っていたので、自然とルフィとも見合う機会が多かったんだ。
「な、な……」
「サンジ? どうしたんだ?」
そう説明をするなり、突然口を開けては石の様に固まったサンジ……湛えるその表情は正直、凄惨としか形容できない。
このことから、何故サンジがこの様な反応をするのか。その子の気持ちとなって考えてみれば、答えはすぐに導き出せた。
「……ルフィに嫉妬したのか?」
小さな声で呟く。
それでも聞こえたのか、サンジの肩がピクリと動いた。どうやら正解の様子。
そうであれば、と次に意気消沈気味のその子への慰めも兼ねて、俺はこの様な提案を出してみた。
「お前達が次へ向かう場所は魚人島だろう? 丁度、俺もその先に用がある。
二年ぶりに会えたんだ。俺も同行しても良いか?」
ルフィには半年前に告げているからな。了承は既に得られている。
後は、サンジが受け入れるかどうかだ。
「……兄さんが……船に……?」
サンジの手を取れば「駄目か?」と尋ねてみる。 すると、視線が此方にゆっくりと向く。
暫く茫然としていたが、ふと放心状態から立ち直ったサンジは、勢い良く声を発した。
「ぜ……全然構わねェよ! むしろ来てくれ! おれはもっと兄さんと一緒にいたいんだ!」
「そうか……ふふ、ありがとう」
俺の手を強く握り、必死な様相をして言うので中々に面白い。
それに、その言葉で心の内が温まった気もして、思わず頰が緩んだのだった。
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レフト(プロフ) - マルさん» コメントして頂きありがとうございます。精進して参りますので、今後ともよろしくお願いします。 (2019年7月23日 22時) (レス) id: 5a76fd57a1 (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2019年7月22日 20時) (レス) id: 11bc736d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レフト | 作成日時:2018年1月8日 14時