9．桃髪の＿＿＿ ページ10
「.........」
「どうしたんですか？」
「いや...白雪殿を見てると初めて会った時のA殿を思い出してな...」
「ああ！あの時も今の白雪殿みたいに"桃髪のA"殿って呼んでましたからね！」
「それですっげえ嫌な顔をされたのを覚えてるよ...」
「ああ...」
.
三人は馬車に乗って移動する。
ゼン「コトの山？」
白雪「うん」
ゼン「海を下った先の山か...あんな所に何しに行くんだ？」
白雪「色んな薬草が生えてるんだって。自分で調達して薬学の勉強をしたくて...街の薬屋さんに薬草が採取できる場所をいくつか教えてもらったんだ」
ゼン「ふーん...」
二人が何か話してるけど私は会話に入ることはできない.........いや入らないのだ。
今の私はフードで髪の隠すのが精一杯。馬車に乗るんじゃなかったな...でも、あんな遠い場所まで歩きで行くのは無理だ...
白雪は凄いな...私もフード無しで歩ける様になりたい...
あ、でも城関係の人の前では外せる様になったから一歩前進だよね！
一人でもんもんと考えてると、不意に聞こえた子供の声に驚く。
「真っ赤っかだ」
貴「...ッ！」
『うわぁ...めっちゃ桃色...』
私が言われたわけじゃないのに昔のことを思い出してしまい...一瞬私に言われたかと思った。
無意識にフードを握りしめる。
大丈夫...髪はフードで隠れてるから......大丈夫...
「お母さん、ねぇ、どうして真っ赤っかなの？あの姉ちゃんの髪真っ赤っかなの！どうして？どうして？」
指差して言う子供にお母さんは叱る。
その様子を見て白雪は子供に髪を見せる。
貴「！？」
白雪「林檎みたいに美味しそうでしょ？」
強いなぁ白雪は.........その強さ、どこから来るんだろ。
きっと、私の"強さ"と白雪の"強さ"は全然違う。
同い歳なのに私、いっぱい勉強させられてるな。
貴「＿ふふっ」
みんなが笑うから私もつられて笑ってしまう。
そんな私を見てゼンがほっとしてたなんて私は知らない。
.
貴「やっと着いた...」
白雪「わぁ...賑わってる！」
ゼン「色んな国の人間が出入りしてるからな。様々な文化が混じってる」
「おや、ゼン殿下！」
ゼン「ん？」
貴「あなたは...」
「丁度良い酒が入ってますよ。いかがです？」
ゼン「今日はいい。改めて来るよ」
へい、と言って去った。
白雪「知り合い？」
ゼン「前に街で知り合った酒屋だ。それ以来、兵達の土産を何度か頼んでる」
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うつ(プロフ) - 星奈シオリさん» コメントありがとうございます。なかなか更新できませんがこれからも見てくださると嬉しいです！ (2018年12月26日 23時) (
レス) id: a0c417f125 (このIDを非表示/違反報告)
星奈シオリ - 主人公と白雪逃げきれるといいな (2018年12月26日 23時) (レス) id: 2d3df82017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うつ | 作成日時：2017年3月30日 23時
