英雄41 ページ42
A 「....///」
熱い
顔に堪ってる熱のせいで目尻に涙をが堪ってる
そんな中でも、私の体を離さないそのたくましい腕には、痛くもない優しい力が込められていた。
次第に頭が朦朧としてきた私に対してかっちゃんは吐き出すように声を出す
爆豪 「....ふざけんな。」
A 「....え...?」
爆豪 「......。」
私がそっと聞き返すも、かっちゃんはただ、私を抱き締める腕に力を込めるだけ。
痛くない、逆に心地いい位なんだけど.....。
A 「.....くるしい。」
抵抗をやめされるがままになりながら思っていたことを言う
すると、かっちゃんがゆっくり体をはなした。
まだくるしい。.......まだ。.........まだ。
胸に手を当てながらぎゅっと拳を握る
そんな動作をしている私に、かっちゃんは心配そうに眉を下げながら言った
爆豪 「...もう、一回しか言わねーから。」
A 「.....っ.......。」
爆豪 「A。..........好きだ。」
低いオブラート混じりの声。
頭にすんなりと馴染んでいくその声で.....。
私が言われたかった一番の言葉を、貴方が私にいってくれた。
それだけで、嬉しくて。
それだけで.....。
『胸が痛い。』
お互いの視線がかさなり、そらすこともできないまま涙ぐんだ私は
今度は何も考えずに精一杯微笑んだ。
A 「.....私も.....。」
バンッ
緑谷 「Aちゃん!!」
A 「好......うぁ......。」
ドンっと描写が開いた音がして我に返り
ベッドに片足だけ預けていたかっちゃんを押し返して布団を被った。
A 「っ......うわぁぁぁぁあああああ!!」
枕に顔を当てそう叫べば、いっくんがカーテンを開いてポカーンとしている
爆豪 「チッ.......クソデク。」
緑谷 「え?.....え?......。」
何があったかわからないのか、それとも自分が何をしたのかわかっていないのか
兎に角吃り始めるいっくん。
かっちゃんは舌打ちをし、私は布団を被って叫ぶ
何てカオスな光景だろう。
その一方で、病室の片隅から見守っていた母が
母 「若いって良いわねぇ。」
と呟いていたことなど知るよしもない。
爆豪 「あー!くそ!! おい、デク!!お前帰れ!!!」
緑谷 「えぇ!!?」
A 「まぁまぁ、かっちゃん.....。」
だが、その光景は
まるで、十ヶ月前に戻ったみたいな
心暖まる光景だった。
ー完ー
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作者名：琴吹 白 | 作成日時：2017年9月16日 8時
