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こんなにも大毅さんで、
胸の中がいっぱいで・・・

時折、我を忘れてしまう。




閉じられた襖の向こうで、
お二人が何を話してはるんか気になって仕方なくて。


聞き耳を立ててしまう。


「東京での事業の方が中心になってきたもんやから。
ここを引き払って東京へ越すことになってな。
大毅にも東京の大学に編入して欲しいんや。
あちらの私設の学校に口利きはしてあるから、
形式的な試験はあるけど、
成績のええ大毅なら案ずることもないやろう」


大毅さんも東京へ行かはる。


そのことに安堵して、
思わず、その場にしゃがみ込んでしもうた。


「智花お嬢様、どうされたんですか?」


そこに、お紅茶を淹れてきた若女中のサキちゃんがやって来た。


「何もないの。
お茶は私が運ぶから。
サキちゃんは下がってていいわ」


「よろしいんですか。
申し訳ありません」


サキちゃんが、勝手口の方へと廊下を小走りに駆けて行く。


襖の向こうに、声をかけようとした時、


「大毅、それよりお前、
ちょっと耳に挟んだんやけど、
近頃、松島やら飛田新地やら、
いろんな花街に出入りしてるらしいやないか」


お父様の屈託無い声が聞こえて、
出かかってた声は、喉の奥に絡みついてしもた。


「すいません・・・
書生の分際で」


「なんも恥ずかしがる事はない。
お前は学問一辺倒の変わりもんや思うてたから、
一端の男やと知って安心したわ。
色に興味があるんなら、
遊び方は俺が教えてやるのに。
渡してる毎月の小遣いじゃ、
到底足りんやろう」


「いえ。
旦那様には、
勿体ないほどに、良くして頂いてますから」


「遠慮なんかせんでええ。
大毅には、大学を出たら、修太郎が一人前になるまで、
神山家を盛り立ててもらわんとあかんのやからな」


「はい。
それはもう、必ず、ご恩返しをしたいと存じてます」


「お前にもそのうち、
嫁を迎えなあかんけど、
芸妓と遊んで色を学ぶんも、
男の甲斐性のうちや」


「ありがとうございます」


そこから、お話は、
学問のことや、
お父様が経営されてる会社の事業のことに移ったけど・・・

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水無月こすも(プロフ) - きゃぁぁぁ赤さんきゅんきゅんですぅぅぅ🥺🥺🥺早く結ばれてほしい、けど許嫁が、、、😢ドキドキきゅんきゅんです、はわわ、、、 (2022年4月1日 20時) (レス) @page31 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
水無月こすも(プロフ) - 毎回foolさんの書く文章の綺麗さに感激してます、設定が高い身分だからだと思うんですけど、いつも素敵な文章書かれるなぁと惚れ惚れしてます〜😌とうとう緑さん女の子!(笑)可愛いからアリです🙆🏻‍♀️続き楽しみにしてます! (2022年3月29日 12時) (レス) @page11 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
このみ - 重岡 (2022年3月28日 17時) (レス) @page2 id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - 女体化のお話が密かに好きなので更新楽しみにしています!!智花ちゃんの可愛さが容易に想像できます。赤くんの女の子のお話もいつか見てみたいかもです(笑) (2022年3月28日 1時) (レス) id: a4b13bf62f (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 更新ありがとうございます!緑くんの女の子すぐ想像出来ました笑また楽しみができました!よろしくお願いします! (2022年3月27日 22時) (レス) @page5 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool | 作成日時:2022年3月27日 20時

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