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「ともお嬢様、それはいけません。
ここのお代は、
３０銭でこと足りると思います」
袴の袖口から、
白銅貨を３枚出して、
私の手に握らせはる。
「そんな・・・」
ひんやりした銅貨を握りしめる。
車を降りる時、
大毅さんの小さいため息が聞こえた。
困らせては、あかん。
わがままを言うて、
嫌われてしまうのが、怖くて。
一人で、人力車を降りた。
中には、去年、お嫁に行った、
女学校のお友達の聡子ちゃんが、
旦那様らしい男の方とお二人で、
餡蜜を食べてはった。
旦那様は大層年上に見える。
菊池様はどんな方なんやろうか。
もしかして、
私もあんな年の離れた方と・・・
餡蜜が運ばれてきた時、
カランカランと鈴の音が鳴って、
お店の扉が開いた。
大毅さんが、入って来はってん。
私に目配せをして、
少し離れた窓際の席につきはる。
浮き立つ心が、
表情に現れてやないかと、
重わ、自分で自分の頬を押さえてた。
こうやって、
大毅さんと外でお会いするんが、
夢やった。
もし、私の気持ちを告げたなら。
大毅さんはどんなお顔をしはるんやろう。
大毅さんは、
慣れた感じで、
冷やし珈琲を注文しはったのに、
苦い顔をして、
まるで苦行に耐えてるみたいに、
飲んではる。
おかしいなって、
笑いをこらえてたら、
そんな私の様子に気付きはった大毅さんが、
むうって、少しふくれはった。
そのお顔がいつなくあどけなあ見えて。
年上の男の方やのに、お可愛いらしい。
離れた席にあっても、
想いは通じているようで嬉しい。
もしかして、
密やかに温めている、
私の心の内など、
大毅さんはお見通しなんやないかて、
ふとそんな考えが浮かんでくる。
それからは、
あんなに甘いと思うてた餡蜜の味も、
よう分からんなってしもた。
最後のひと匙を、
口の中に放り込んだ頃、
艶やかな芸妓さん、お二人が、
男の方に伴われて、
お店に入って来はった。
その瞬間、お店の空気がガラリと変わった。
華やいで、色香のある雰囲気に包まれる。
男の方にしなだれかかり、
ひときわ高い声で笑う、
芸妓さんたちに、
大毅さんがふと視線を送らはったんに気付いてしもて。
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水無月こすも(プロフ) - きゃぁぁぁ赤さんきゅんきゅんですぅぅぅ🥺🥺🥺早く結ばれてほしい、けど許嫁が、、、😢ドキドキきゅんきゅんです、はわわ、、、 (2022年4月1日 20時) (
レス) @page31 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
水無月こすも(プロフ) - 毎回foolさんの書く文章の綺麗さに感激してます、設定が高い身分だからだと思うんですけど、いつも素敵な文章書かれるなぁと惚れ惚れしてます〜😌とうとう緑さん女の子！（笑）可愛いからアリです🙆🏻♀️続き楽しみにしてます！ (2022年3月29日 12時) (レス) @page11 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
このみ - 重岡 (2022年3月28日 17時) (レス) @page2 id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - 女体化のお話が密かに好きなので更新楽しみにしています！！智花ちゃんの可愛さが容易に想像できます。赤くんの女の子のお話もいつか見てみたいかもです(笑) (2022年3月28日 1時) (レス) id: a4b13bf62f (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 更新ありがとうございます！緑くんの女の子すぐ想像出来ました笑また楽しみができました！よろしくお願いします！ (2022年3月27日 22時) (レス) @page5 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2022年3月27日 20時
