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「それは良かったです」
正直、僕は、触れ合う肩に意識を取られておって、
あらすじさえ思い出されへん。
「女優さんとは、
初めて見ましたけど、
この世の人とは思われへんほど、
お美しいんですね・・・」
「そんな、大袈裟です」
「でも、あのお話は、私には悲しかったです」
楽しそうにお喋りされながら、
夕暮れ時の人混みの中、
僕の腕に甘えてつかまらはる。
「お嬢様、人の口にたつといけませんので・・・」
そっとその腕を解こうとしたら、
ほんまに悲しそうな顔されて。
そのご様子に、
胸が痛んで、
振りほどくことなど・・・
知らず知らず、困った顔をしてたんかも知れへん。
「大毅さん、
私がおそばに寄ったら、お嫌ですか？」
ともお嬢様が不安そうになさるから。
「嫌なわけありません。
胸が高鳴って張り裂けそうです」
焦って、胸の内そのままを告げてしもた。
今日だけ、今だけ。
普通の恋人同士であれたらと、
胸の中で、言い訳が増えていく。
「・・・私もです。
大毅さんといると、いつも、
胸の中のカナリアがうるさいんです」
「カナリア？」
ともお嬢様の透き通った声は、
カナリアの鳴くさま、そのもの、
いつもそう思っておったせいか、
素っ頓狂な声をあげてしもた。
「ふふ、そうです。カナリア。
昔、飼うてたでしょう？
京都のお家で。
餌をあげる時に間違えて逃してしもたけど・・・」
「そうでしたね。
檸檬色の可愛いカナリアでした」
幼いAお嬢様が、あまりに泣かれるから。
薪割りを投げ出して、
カナリアを探しに裏山に分け入ったことがあった。
結局、カナリアは見つかれへんし、
山で足に大怪我をして、
医者にかかることになって。
旦那様から、
大目玉をくらったんやけど、
旦那様と初めて、
二人きりでお話をさせて頂く機会が出来て、
何を話したんかは、もう覚えてへんのやけど。
丁稚の僕のことを、
「大毅か。
なかなかの利発で機転の利く子供や」
そう認めて下さって、
それから、
仕事は正午までとして、
そのあとは、読み書き算盤の勉強をさせて頂けることになった。
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水無月こすも(プロフ) - きゃぁぁぁ赤さんきゅんきゅんですぅぅぅ🥺🥺🥺早く結ばれてほしい、けど許嫁が、、、😢ドキドキきゅんきゅんです、はわわ、、、 (2022年4月1日 20時) (
レス) @page31 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
水無月こすも(プロフ) - 毎回foolさんの書く文章の綺麗さに感激してます、設定が高い身分だからだと思うんですけど、いつも素敵な文章書かれるなぁと惚れ惚れしてます〜😌とうとう緑さん女の子！（笑）可愛いからアリです🙆🏻♀️続き楽しみにしてます！ (2022年3月29日 12時) (レス) @page11 id: c7a7f3b3ba (このIDを非表示/違反報告)
このみ - 重岡 (2022年3月28日 17時) (レス) @page2 id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - 女体化のお話が密かに好きなので更新楽しみにしています！！智花ちゃんの可愛さが容易に想像できます。赤くんの女の子のお話もいつか見てみたいかもです(笑) (2022年3月28日 1時) (レス) id: a4b13bf62f (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 更新ありがとうございます！緑くんの女の子すぐ想像出来ました笑また楽しみができました！よろしくお願いします！ (2022年3月27日 22時) (レス) @page5 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2022年3月27日 20時
