久方ぶりの柱合会議. ページ3
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「ッッすッんまッせんんん遅れましたァ!!!!!」
あかんこれはギリセーフという訳でもなさそうだ。うん。柱共の目を見たら分かる。
久しぶりに行われた柱合会議。
夜遅くまで任務に出向いていた俺は完全に寝坊して今必死に走ってきたところだ。
否、塀の上から飛び降りてきたところだ。
まあそんな大それた行動を起こした俺は注目を浴びる。やだ照れる。分かってるよそういう目で見られてる事じゃないことくらい。
「久しぶりだね、A」
「この度は久方なる柱合会議の大いなる遅刻、心より謝罪致します。申し訳ありません、お館様」
「失態は誰にでもある事だ。ただ、もう少し落ち着いて入っておいで。そんなに焦らなくても大丈夫。
...さて、話の続きをしよう。Aも聞いてくれるかい?」
話の続きとは一体なんのことだろう。
首を傾げながらも、お館様の言葉に頷く。
「あ、あなたは...」
「...ん?あれ、君誰?」
ふっと下を見ると、赤毛の少年が縛られて倒れていた。今日は柱合会議のはず、一般隊士がいるのはおかしい。そもそも何故皆外で頭を垂れているんだ?
「君、名前なんて言うの?よく見たら可愛い顔してるね、この後俺とお茶とかど」
「Aさん?この場において口説きはあまりに場違いでは?」
「おっとしのぶさんその手にある注射針は何かな」
「その子はね、A。
家族を鬼に殺され、唯一生き残った妹は鬼にされてしまったんだ。その鬼にされてしまった妹を人間に戻すべく鬼殺隊に入隊したんだ。
今、私達はそのお荷の妹・禰豆子について話し合っていたところだよ。
鬼でありながらも2年間、人を喰ったことはないらしい。鬼殺隊へ入隊出来るか否か。是非、Aの意見も聞いてみたい。」
家族を鬼に皆殺しされ、妹を鬼にされ。
きっとその経験は、俺には想像もできないほどむごく、辛く、腸が煮えくり返るほどの思いを過ごしただろう。
俺はそっと口を開く。
「...本人の意思を尊重すべきかと」
「稲荷崎...貴様も鬼の肩を持つつもりか?」
「あ?そうは言ってねぇだろネチネチ野郎。
俺が言ってんのはその禰豆子とやらがどうしたいかだ。鬼だからとか、人を喰ったことがないとか。そういうこと全部一旦置いといてさ。
禰豆子が鬼殺隊に入って、本気で命を懸けて人を守るという意思があるのかどうか。
俺はそれ次第だと思いますね。それによって導き出される答えも違ってくるだろうし。」
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作者名:たらんら | 作成日時:2019年10月7日 23時