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あれは厳しい冬の日の. ページ1







「.....この気配...」




極寒の真冬日に奥多摩郡・雲取山の麓の町へ任務の為来ていた夜のこと。


山の方から何やら嫌な気配がした。ざわりと気配がする方に鳥肌が立ち、ばっと其方へ顔を向ける。
鼻が曲がるような、濁りきった黒い血のような匂い。




「...明らかに普通の鬼ではないよなぁ...もしかして上弦でも出てきた?やだなあ〜もう...急がなきゃ」




雪が積もって真っ白に染まる山の頂を見つめ、思わず顔を顰める。

民間人が襲われているかもしれない。
そう考えると思わず駆け足になる。俺は鬼殺隊だから、鬼から人を守らなきゃいけない。

そういう使命感に、昔からずっと駆られてきた。









「...俺が守らなきゃな!」









___ごめんな、竈門君。






俺がもう少し早く駆けつけていれば、君の家族は死なずに済んだろうに。






この竈門炭治郎という少年に、随分と振り回されるということを。


この時の俺はまだ知る由もない。






〜 竈門炭治郎と出会う前の主人公のお話 〜



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作者名:たらんら | 作成日時:2019年10月7日 23時

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