転入生？ ページ2
「おら席つけー」
先生の声を合図にぞろぞろと席につく。
静かになったところでホームルームが始まる。
やけに明るい先生の声に、私は小さく首を傾げた。
「ふっふっふ、聞いて驚け！」
なんだよ。焦らすなよ。
そう言いたい衝動をぐっと堪えて、生徒に物を投げられている先生を眺めた。
今思ったけどこんな思いしてるの先生も一緒なんですよね、わぁ仲間だ。
そんなことをぼんやり考えていると、先生は苦笑して話を進める。
「今日は、転校生が来ます！」
フーン転校生。
……は？
思わず私も目をぱちくりさせる。
クラスの皆も同じのようで、ぽかーんと口を半開きにしながら放心状態に。なかなかの阿保面だこと。
先生の「入ってこい」の言葉に、躊躇せずがらりと開いた扉に注目が集まる。
その瞬間、誰もが息を飲んだ。
こつこつとローファーの踵を鳴らせて教室に入ってきた――絶大の美少年。
「転入生の美風藍君だ。仲良くしてやれよ」
「美風藍です。よろしくお願いします」
そう言ってにこりと微笑んだ瞬間、何かの衝撃がほどばしった。
気づけば食い入るように美風君に見惚れていて、持っていたペンをぽとりと落とす。
彼はとても綺麗だった。
人間離れしたマリンブルーの髪と瞳は透き通ったように美しく、肌はファンデーションを塗ったように白い。筋の通った鼻立ち、形のいい唇、すらりとした手足。
私は今まで、ここまで綺麗な人を見たことが無い。
こんな人、現実に存在したんだと驚かされた。
けれど一番驚いたのは
「美風……藍」
そう、彼自身について。
昨日、ゲームのパッケージにも載っていたのを思い出す。
彼を見て連想されるのは、"うたの☆プリンスさまっ♪"という大人気乙女ゲームであった。
攻略対象である"美風藍"と、今目の当たりにしている"美風藍"の条件が当てはまりすぎる。
そもそもうちの学校髪染めるの禁止だし、そう考えるとあれは地毛なのだろう。
コスプレとも考えずらい。だって、違和感が、無い。
その髪も、瞳も、全部。
だってこの綺麗で特徴的なアルトボイスも、あの美風藍そのもの。
こんなのおかしい。
どういうこと？は？
思わずテンパっていると、突然美風君と目が合った。
「っ……！」
にこりと微笑まれて、思わず顔を背ける。
うわあああイケメン！
じゃなくて何でこっち見てんのあのイケメン。
やけににこにこしてるし。
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有栖(プロフ) - 更新、頑張って下さい！！ (2016年3月13日 10時) (
レス) id: d04813d339 (このIDを非表示/違反報告)
稲葉ふゆき(プロフ) - 遅れてすみません。コメントありがとうございます！これからもこの作品をよろしくお願いします (2016年1月9日 23時) (レス) id: 3715ce0b63 (このIDを非表示/違反報告)
美風りつか - とても面白いですね！これからも頑張ってください！楽しみにしています(*^^*) (2015年9月3日 1時) (レス) id: 1f55841bfd (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - 久しぶりに来てみたら少し更新されてて、飛び上がって喜びました笑。これからも頑張ってください！陰ながら応援してます！ (2015年7月20日 1時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
稲葉ふゆき(プロフ) - みーちゃんさん» ありがとうございます！なんというか、書きやすいんですよね(笑) 最近更新低下していてすみません……。以後、気を付けます。 (2015年7月17日 15時) (レス) id: b109ce92e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲葉ふゆき | 作成日時：2015年4月3日 1時
