7人の傘 3 /8人目/

▽139/大倉side/ ページ42

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「やっぱりまだ慣れへんなぁ」




ロケ弁のプラスチックの蓋を開けながら、大きくため息を付くA。







大「もう完全に慣れてる風に見えるけど」


「嘘ぉ？」


大「うん。落ち着いてるし」


「肝が据わってるのかね」


大「ふふ 。」


「もう緊張でガッチガチやけど」







そう言いながらもどの仕事も楽しんでるAは凄いって口には出さないけど、思う。







頂いた仕事は全力で。



当たり前の事やけど、俺らやって人間やから

仕事が面倒になることだってある。






やけど、Aは全くない。


そら、俺らもいい歳やから表に出すことなんかないけど何ていうか…Aはもっと、こう。








何やろな、仕事もプライベートも同じ空気感漂わせてる。




アイドルとしての顔が、プライベートの顔で。プライベートの顔でアイドルやってる、不思議な…。
















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「なーにをそんな難しい顔してんねん」



大「…え、してた？」



「してたしてた。ほら、もう村上くんとす ばるくんの撮影終わるで」



大「うん」











ほんまに不思議な奴やなぁ


って言うと






「何？不思議って何？」





ぷっ、と吹き出して笑うからますますよう分からん。


















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