7人の傘 3 /8人目/

▽126/安田side/ ページ29

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「…ごめん、こんなん聞たないよね」







困った顔で隠そうとするA。思わず、







安「俺になら」





「え？」





安「俺になら、ほら、オカマっぽいとかよう言われるし女子会とか好きやし女の子の気持ち分かるし、話して？」









「…章ちゃん、そんなこと言うようになったんね？」








可愛い扱い苦手やのにね。そう言って







ありがとう







なんて囁くから。









俺のことこんなに分かってくれんのに




俺はAの事、これっぽっちも掴めない。






そんな事に気づいて悲しくなった。


















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Aの最寄り駅に着いて、腰を上げる。





「ごめん、変な話して。ごめんね、ありがと。ばいばい…」








謝りながら降りて行くAにかけてあげられる言葉なんか無くて…



無言で手を振る自分の無力さを感じる。









Aと男女の関係になれても



体を捕まえることは出来ても







心は捕まえられない？









安「はぁ…」









A、








横山くんを選んで正解やと思うよ。









俺を選んで欲しかった、選ぶと思ってた。






1番近い存在のはずのAが




1番遠い。









自惚れてたんやな。








Aのこと分かってあげられるんは俺だけやって。









分かって欲しいわけや無いんよね、A？







ちゃんと受け止めて、待ってて、寄り添ってくれる横山くんがええんよね？









…この恋も、叶わなかった。









いつだって一方通行の俺の想い。
















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