7人の傘 2 /8人目/

▽75/大倉side/ ページ26

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どうしようどうしようって考えて、結局。






Aごめんって謝りながら。ラフな感じのニットのセーターとジーンズを、見ないようにそっと脱がせる。





ぐしょ濡れの服を、眠り込む人間から脱がせるのは思ったより手こずったけど。


すぐ大きなバスタオルをかけて、服を洗濯機に突っ込むと寝室のクローゼットからスウェットを持ってきた。









俺なんも見てへんから。Aの薄ピンクの下着なんて見てへんから…


ってぶつぶつ言いつつスウェットを着せようとバスタオルを持ち上げたら。








やっぱり、すべすべの白い肌とあどけない寝顔にドキッとしてしまって。







「…〜っ」








唇を噛み締めて男としての欲望を抑え、頭の後ろに手を滑り込ませてほんの少しもたげてスウェットをかぶせようとした時。








と、それまで何回名前を呼んでも起きなかったくせに。









ゆっくり目を開けて。






「…大倉くん、」









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さっきまでわんわん泣いてた事なんてすっかり忘れたかのように、ふわっと笑って俺を呼ぶから







ああもうあかんって…







むしろ俺が泣きそうで。









そんな俺の首に手を回してちゅ、と自分からキスをするA。



下着姿で何てことするん！と言いかけた俺の唇をまた塞ぐ。









それから




信じられないような事を口にした。







いつかのツアーで、ヤスに同じことを言い寄ってたと証言した横山くんを思い出す。




ほんまやったんやって今更気づいて







「…あかん」







と首を横に振る。






「なんで？大倉くん、」








いつものAやったらそんな事言わへん

と言うと






「こっちがほんまのAやで？」





首を傾げて 俺を求めるから







ちょっとだけなら。って…









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