浦田さん家のお隣さん。 (ページ8)

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episode 7 ページ8

ゆうまside

．

家で編集をしていると、ピンポンが鳴った。

まさか…

僕は最近悪質なファンに悩まされている。

過度に声をかけてきたり、無理矢理撮影中の画面に写ろうとしてきたり。

沢山の方が見てくれているんだなと嬉しく思う反面、やはりいい気持ちはしない。

最近、とうとう住所までバレてしまったようで。

ちょっとしたことですぐに特定されてしまう時代だからな。

そのファンが押しかけてきたのか？

そうだとしたらかなりやばい。

どうしよう。

まずやまとに連絡？

あれ、鍵閉めたっけ？

もし隠れるとしたらどこがいいか？

そもそも疑心暗鬼になっているだけでお隣さんとか？

色々なことを考えた末僕は窓の鍵を閉め(盗撮とかを防ぐため)、貯金が溜まっている引き出しに鍵がかかっているか確認して、すぐにやまとに連絡が取れる状態にしてから玄関へと向かった。

魚眼レンズから覗いてみるが知っている人ではない。

若い女の子だからもしかしたらファンの可能性あるな…

怖い。

ゆま「はい…」

チェーンはかけたままで顔だけ少し出す。

女の子はフリーズしてしまった。

この反応は僕を知らない人のものではない。

まじか、ほんとにファンの子だったか。。

どうしよう。

てか僕の家だって分かってるのにそんな驚く？

ゆま「あの、もうやめてもらっていいですか」

やまとのように少しは声をかける勇気が必要だと思い、相変わらずチェーンはかけたまま言葉を放った。

少々きつい言い方になってしまったが仕方ない。

すると女の子はぽかんとした表情を浮かべた。

あれ？

なんか間違えた？

スベった時と同じ空気が流れる。

もう一度口を開く。

ゆま「だって貴方、ずっとじゃないですか、、
ファンでいてくれるのは嬉しいけど困っちゃいます。」

女の子は申し訳なさそうに言った。

『えっと、わたしは、
ゆうまくんのファンだけど、

引っ越しの挨拶をしにきただけです。

隣に越してきた一ノ瀬です…』

え？

越してきた？

まじか、そう言われてみればお隣さんが引っ越すという話を聞いたような気も…

都合よく話を思い出しながら僕は目の前の子に見とれていた。